サッカーに敵はいない――。日本人選手がバルセロナから学んだ”リスペクト精神”
2018年09月04日
未分類8月終盤に大阪府吹田市で開催された「U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2018」には
スペインのFCバルセロナが参加しました。世界屈指の名門クラブの選手を観て、実際に対戦した日本人選手はFCバルセロナの選手の個々プレーを学んだだけではありません。クラブの文化として根付いている「リスペクト精神」を肌で感じる貴重な経験になりました。
取材・写真・文●中澤捺生
FCバルセロナの選手が示した「リスペクト精神」
8月終盤に大阪府吹田市で開催された「U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2018」はFCバルセロナが3大会連続5度目の優勝を飾りました。
今年で6回目の開催となったワーチャレは世界屈指の名門クラブ「FCバルセロナ」の育成組織を観ることができる絶好の機会です。試合を観戦していた一人、サンフレッチェ広島F.Cジュニアの6番・高橋怜生くんはFCバルセロナの選手のプレーを目の当たりにして、脱帽していました。
「バルサの選手は全員の判断スピードが早かったです。特に僕と同じ左サイドバックの選手はサイドチェンジのボールが正確なうえにパスの判断が早くて、パスを受ける前にボールをどこに置くのかとか、状況判断が優れていました。そういった所は見習っていきたいと思います」。
同大会は「FCバルセロナの選手のプレー」を学ぶ場でもあります。ワーチャレに参加している選手はノートに何かを書いていたり、スマートフォンで試合を撮影していたりしていました。ただ、FCバルセロナから学ぶのは「テクニック」「ボールコントロール」「判断力」といったプレーの要素だけではありません。神奈川県の強豪クラブ・FCパーシモンの選手はFCバルセロナから「リスペクト精神」を学んでいました。
FCパーシモンは決勝トーナメント1回戦でFCバルセロナと対戦。前半に2点を許しましたが、後半の終盤に9番・八田秀斗くんが2ゴールを挙げPK戦にまで持ち込みました。
PK戦は死闘となりました。先攻のFCパーシモンの選手がPKを3回外し、FCバルセロナの選手が決めれば試合終了…という場面が訪れましたが、守護神のGK粟屋侑久くんがスーパーセーブを連発します。FCバルセロナの選手は頭を抱え、愕然としていました。
しかし、2巡目に入り、FCパーシモンの14人目のキッカーが外し、後攻のFCバルセロナの選手が冷静にPKを沈めたことで決着(PK:11-10)。日本の町クラブがFCバルセロナを追い詰めましたが、あと一歩及びませんでした。
ホイッスルが鳴ると、FCパーシモンの選手はヒザから崩れ落ち、涙が止まりません。すると、FCバルセロナの選手はFCパーシモンの選手の元に駆け寄り、抱きしめ合い健闘を称え、肩を組んで声を掛け始めました。
FCパーシモンの守護神・粟屋くんは「試合後、バルサの選手たちに『ナイスセーブ!』『ナイスキーパー!』『グッド!』と言われました」。2ゴールを挙げた9番・八田秀斗くんは「『ナイスゲーム』とか健闘を称えるような言葉を掛けられました」と教えてくれました。
FCバルセロナの公式Twiterも映像付きでこの光景をツイートしています。
👏 U14B @FCBmasia
💙❤ #MoreThanAClub pic.twitter.com/gU5zeS5kNR— FC Barcelona (@FCBarcelona) 2018年8月26日
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