技術にばかりフォーカスしすぎていないか? 「個の育成」とは何なのか/ジュニサカ会議2【9月特集】

2018年09月10日

育成を考える

9月の特集のテーマは「改めて考えたい4種年代の問題点」だ。4月上旬に開催されたダノンネーションズカップをはじめ、チビリンピックやバーモントカップ、ワールドチャレンジなどジュニア年代では約半年の間に様々な主要大会が行われた。そこで現場を取材し続けているジュニサカWEBチームが座談会を実施。取材で浮き彫りとなったジュニアの問題点を挙げていった。前回(スケジュール、出場機会、ボールの蹴り合い…。大会を通して見えてきたU-12年代の問題点)はボールを浮かした蹴り合いが試合中に続く問題を中心に話し合った。第2回はサッカー指導の在り方を中心に語っていく。

【9月特集】改めて考えたい「4種年代」の問題点

■座談会メンバー
ジュニサカWEB編集長:高橋大地
ジュニサカWEB編集部:中澤捺生
ライター:木之下潤

文●木之下潤 写真●佐藤博之、松田杏子


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※写真はイメージです。選手及びチームは記事の内容と関係ありません。

クラブも選抜チームも試合の目的が勝つことだけになっている!

木之下「『環境を作る』という意味では、大会運営者側も、審判側も、子どもたちのために一生懸命やっていることは関係者みんなが理解しているので強く意見しづらい部分があります。ただ、チームとしては改善を図れる部分があるのかなと思います。

 ワーチャレ日記4日目(「優勝」という目標だけでは指導者としてあまりに無責任。バルサ指揮官が情熱を注いで築いた選手との信頼関係)にも書きましたが、『大会を通じてチームとしてどのレベルまで持って行きたいのか』という狙いが指導者から感じられないところがあります。大会の目標ではなく、『チームとしてどう戦うか』という目的意識みたいなものを指導者と選手の間で共有しておかなければならないと思いますし、それがあるからこそ指導者もチームも課題とその解決策を大会ごとに積み重ねていけると思うんです。ピッチのそばから見ていると『ただ優勝しよう』、『ただ勝とう』ということで試合を戦っているのではないかと感じてしまいます。

 それはハーフタイムの指示を見聞きしている中で思うことです。バーモントにしろ、ワーチャレにしろ、ダノンにしろ、ただ勝つか負けるかというところではない、チームとしての目的『どこまでの戦いをする』とか、そこに対してどういう課題が出てきて、その振り返りとしてどういうトレーニングをしなければならないというのは狙いを明確に持って挑むからこそできることではないかと思うんです。今回のワーチャレを見る限り、Jクラブや選抜チームは大会中にどんな戦い方にまで持っていくという狙いがプレーとして見ることができなかった」

中澤「それは選抜チームとして時間がなかったなどの理由があったからではないですか?」

木之下「もちろん、そういう意見もあります。とはいえ、 選抜チームは寄せ集めのチームだから個の力に注力するという現実があるのは非常に疑問に感じるところです。選抜として集まった時に、何を学ぶのか。私は、サッカーというスポーツがどういうメカニズムで、ボールを持った時にどういう流れでゴールを狙いにいくのかというようなことにもっと焦点を当ててほしいと考えています。

 例えば、私たちの選抜チームでは『こういうサッカーを大事にしているので、こういうトレーニングをやっています』という部分の落とし込みをしてほしい。寄せ集めなのであれば、個人に注力する練習ではなく、グループとして5人ぐらいの人数から8人制、11人制へとつながるようなトレーニングをしていけばいいのではないかと思います。地域の有能なタレントを集めているので、個人練習よりも指導できることがあると思います。

 中澤さんはJFAフットボールフューチャープログラム(以下、FFP)を取材したけど、そのあたりはどうだったんですか?」

中澤「FFPはあくまで個の育成をテーマにしているので、戦術的なものは教えないことをはっきりとおっしゃっていました。JFAも『トレセンは個の育成の場だ』と言っていますし、その流れでそこを重要視しているんだ、と。それが協会としての方針なので、現場の指導者はそれに則して教えているのだと思います」

木之下「編集長は個の育成をどう思いますか?」

高橋「いまいち『個の育成』という言葉自体が曖昧でよくわかりません。日本で個の育成というと、一人で二人をはがすためのドリブルとかボールを持ったときのスキルのことを指していると感じる部分が多々あります。でも、ボールを持ったときのスキル以外にも個の育成で大切なことはたくさんあると思うんです。

 数年前に田嶋幸三会長に取材した時は、『トレセンはクラブでレベルの高い子が集まって、いわゆるお山の大将みたいな子どもたちの『天井効果』をなくすための環境づくりの一環だ』と言っていました。でも、トレセンを見ていると、Jの育成組織に所属するような元々能力の高い子どもたちが、ただ自由にプレーしているだけに見えます。果たしてそれが本当の意味で『個の育成』になっているかは疑問に感じるところです。木之下さんが言うように、もう少しチームとしてグループとしてサッカーを学ぶ場であってもいいのかなと感じます」

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