「挫折するまでは放っておく」。湘南ベルマーレ・曺貴裁監督の行動哲学

2018年11月04日

コラム

結果が出たからいいとは思わない

 初体験のプロの舞台で、ゼルビア戦で犯したミスが昨シーズンでは繰り返されることはなかった。他のミスも然り。その原動力になったメンタリティーの強さは、ベルマーレユースで育ち、2種登録された10年シーズンを含めて、トップチームで6年間プレーし、16年シーズンからは浦和レッズに所属するDF遠藤航(現:シント・トロイデン/ベルギー)に共通するものがある。

 言われたことをインプットするのも、実際のプレーとしてアウトプットするのも遠藤のほうが早い。杉岡はちょっと時間がかかるタイプだが、不器用ながらも前へ、前へとボールを運ぶ推進力は遠藤と肩を並べていくレベルにある。初めて監督を務めた 12年シーズンに、ユースから昇格して2年目で、当時19歳だった遠藤を3バックの真ん中で起用した。

 そのときと比較すると、今シーズンの杉岡のパフォーマンスに対する大きな驚きはない。正直に言えば、これくらいはやると思っていた一方で、左のアウトサイドでも及第点に達するプレーができたのは新しい発見だった。左サイドで上下動を繰り返しながら、6月10日の徳島ヴォルティス戦で決勝ゴールも決めたことは、本人にとってもすごく自信になったと思う。

 ベスト16まで進んだFIFA・U-20ワールドカップでは、左サイドバックを務めていた。180センチ以上のサイズがあり、なおかつ左利きという左サイドバックは、いま現在の日本サッカー界にはなかなかいない。

 まだまだ伸ばす部分はあるけれども、そうしたポジションができるようになれば、森保一監督が就任した東京オリンピック代表や、その先に待つA代表にも居場所を築きやすいのではないかと個人的には思っている。

 ただ、この先も長くサッカーを続けていくうえで、ひとつだけ忘れてほしくないことがある。僕は何も杉岡を成長させたいから、高卒ルーキーながら開幕戦から先発させたわけではない。杉岡がいい選手であるがゆえに、起用しているだけだ。出場2試合目にして、杉岡が初ゴールを決めたザスパクサツ群馬戦後の監督会見。杉岡に対する評価を問われた僕は、昨シーズンのベルマーレに所属したすべての選手へのメッセージを込めてこう答えている。

「結果が出たからいいとは思わない。毎日の練習と週末の試合、そこを離れた時間を、常にサッカーに対していいものになるように準備しているのが彼に対する評価であり、代表に入ろうが入るまいが、試合に出ようが出まいが、その軸をぶらさないことが、彼が最終的にいい選手かどうか、皆さんがそう思うかどうかにつながっていくんじゃないかと」

※全文は『育成主義』をご覧ください。


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【商品名】育成主義
【発行】株式会社カンゼン
【著者】曺貴裁

四六判/256ページ
2018年2月20日発売

2017シーズン、J2優勝! 選手育成によって湘南ベルマーレを強靭なチームに作り上げた名将・曺監督による指導論とは。


 

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