“8人制サッカー”のフォーメーションの特徴を“11人制サッカー”に落とし込めていますか? 【10月・11月特集】
2018年11月05日
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ヨーロッパと日本の違いはサッカーの構造を踏まえて議論をしているか?
木之下「ベーシックなサッカーの傾向を倉本さんなりの解釈に落とし込み理解されています。本来なら指導者一人ひとりがこういう意見を交わし、ぶつけ合うべきですよね?」
倉本「そうなんです。このシステムとこのシステムが噛み合ったらどうなるんだろうか?これがサッカーの会話だと思うし、スペインではそういう話をたくさんしていました」
高橋「ヨーロッパサッカーを見ていると、多くの解説者はそういう話をしていますよね」
倉本「みんなチェスのように考えています。日本で言えば、将棋ですかね?」
木之下「私はクライフ信者なのですが、彼は言葉が止まらないくらい滑らかに話していました」
倉本「クライフもペップもシステムは数字の羅列だとは言いながらも、システムの傾向を踏まえて話を進めているわけです」
木之下「何事も前提があっての話ですよね」
倉本「そう、『前提を踏まえての話だからシステムではないよ』と言えるんです。彼らはそのベースを理解する過程を経て解説をしていますから。それがわからなかったら無茶苦茶に無秩序になるのは当たり前のことなのです。私はこういうことが基本だと思っています。ただ、知っておけばいいだけのことです。だから、『なぜJFAはこういう話をしないんだろう?』と疑問に思い続けています。D級ライセンスの取得講習会でこういう内容を伝えるだけで、随分サッカーの理解は進むと思います」
木之下「最低限、C級ライセンスの取得講習会ではこういう内容は行ってほしいです。ベースとなる傾向、プラス8人制だったら、11人制だったらという内容が講習会の中で話されたらサッカー界全体がもっと前進します」
倉本「イメージが湧くはずです。11人制サッカーが見えないのであれば、4対4+GKで縦型か横型かのベースからの話で十分だと思います。私の講習会に参加してくれた指導者は、横型、縦型の話を聞いて自分たちのチームを検証してくれました。横型は『守備をしっかりやってカウンターで勝てました』、縦型は『前線からはめて勝ったり、うまくボールを動かして相手を剥がしてゴールを決めました』と言っていました。検証して『そういう傾向が多かった』という結果に実際になったそうです」
高橋「これがわかると練習のバリエーションが増えますよね?」
木之下「むしろ選手の特徴がわかりますよね?」
倉本「そうなんです。選手たちにはいろんなポジションをやらせたらいいと言いますが、結果的にそうはできませんよね」
木之下「私自身、契約する町クラブで一人ひとりの選手にいろんなポジションを実際にやらせて思うのは、選手の性格や特徴があるので『いろいろはできないな』と感じています。いろんなポジションをできる子は圧倒的に少ないです。そこは自分の勘違いだなと考え直しています」
倉本「それは選手にもタイプがあるからです。私が考えるに、シンプルに2つしかありません。もう少し細分化すると4つの考え方がありますが、大きくは2つです。それはフットボーラーか、プレイヤーか。フットボーラーはサッカーをやるために生まれてきた選手のことです。そういう選手は世界中を探しても1割いるかどうか。要するに、どんな状況でもやりたいことをやれる選手のことです」
中澤「メッシですか?」
倉本「一番わかりやすいのは、全盛期のロナウジーニョ選手です。彼はマークが二人来ても、エラシコを使って抜きたいと思って実際にやれてしまう選手です。ネイマール選手も同様です。一方で、プレイヤーはその状況において適切なプレーができる選手のことです。
例えば、イニエスタ選手であり、一昔前のジダン選手です。私がスペインにいた頃はロナウジーニョ選手とジダン選手の二人は全盛期でした。だから、いつも多くの人たちが二人の違いについて激論を交わしていました。あくまで傾向ですが、南米の選手に多いのはフットボーラーです。
そして、日本の育成指導者が間違っているのは、フットボーラーを作り出そうとしていることです。そもそもフットボーラーは作り出せませんし、絶対に無理です」
木之下「なるほど。日本の育成指導者はフットボーラーを作り出そうとしているから技術トレーニングに走るわけですね」
倉本「そうなんです。プレイヤーには走りません。私はコーチが与えられる影響はプレイヤーだと考えています。少し掘り下げると、フットボーラーに与えられる影響は『しつけ』の部分です。
それは3つあって、ポジショニング、切り替え、守備のポジショニングです。あのネイマールですらFCバルセロナに移籍した時は苦労しました。スアレスやメッシが助ける形で、彼は少しずつ適応していきました。ネイマールはやろうとしたから試合に出場できましたが、それを拒否すれば試合には出られませんし、クラブをでなければいけない状況になったと思います。
だから、南米の選手でヨーロッパで大成した選手は『プレイヤー的なしつけを受け入れた選手』が傾向として多いと思います。そうでない選手は戻っているパターンも多いです。それは日本人選手にも当てはまるかもしれません。
指導者は、しつけはできるけど、フットボール的な才能を身につけさせることはできません。残りの2つはレシーバーか、パサーか。例えば、4-4-2で考えると、ディフェンスラインとボランチという下の括りはパサーで、サイドとのフォワードという上の括りはレシーバーになっています」
高橋「あらためて言葉に出されるとそうですね」

【倉本氏は「フットボーラー」タイプの代表としてバルセロナなどで活躍したロナウジーニョをあげた】
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