子どもの運動神経を育てる「9つの基本動作」

2018年11月08日

コラム

子どもたちの運動能力が低下している。その背景には「外遊び」が減ったことが一つの要因としてある。そんな中、プロトレーナーが開発した“運動神経を育てる”教室を展開しているリアルアスリートクラブは独自のメソッドで子どもたちの運動神経を伸ばしている。独自の方法とはどんなものなのか、実際の教室の現場を覗いていく。

ジュニアサッカーを応援しよう!VOL.45』より一部転載

取材・文・写真●鈴木康浩 イラスト●中山けーしょー


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運動神経は環境で決まる

『“すべての子どもたちがどんな運動も、どんなスポーツも、めいっぱい楽しめるようになってほしい”という願いを込めて、2015年4月、本格的にスタートしました』
 
 取材で訪ねたときに手にしたパンフレットの冒頭にはそう書かれてあった。リトルアスリートクラブ(以下、LAC)とは、出版社の学研が主催する子どものための運動教室。学研が教育出版社として長年育んできた子ども教育のノウハウをベースとし、そこに遠山健太氏らプロのトレーナーたちと開発したプログラムをもとに、運動をするうえで基礎となる“運動神経を育てること”にアプローチする新しい運動教室だという。
 
 運動神経を育てる、とはどういうことだろうか。取材に応じてくれたLACの事務局ディレクター、坂口泰亮氏が説明する。

「よく、運動神経がいい、悪いなどと言いますが、一般に運動神経がいいとは、自分のイメージした動きができることを意味します。運動神経を育てるということは、その状態になることを目指すわけですが、そのためには、小さいころからさまざまな運動パターンを経験することが必要です」
 
 ちなみに学術用語として「運動神経」なる言葉はないが、坂口氏はそれを理解したうえで「一般の保護者がまず理解しやすい言葉として説明させて頂ければと思います」とした。記事でも「運動神経」を、運動に関連する神経、略して「運動神経」としたい。
 
 そもそも一般的に、運動神経は遺伝、という認識があるがどうなのだろうか?

「そうですね。親御さんがスポーツ選手、あるいは運動好きだとその子どもも運動が得意になる、とよく言われます。ただ、これは子どもが小さいときから、運動体験をする環境に身を置きやすいから、とも考えられます。仮に、運動が苦手な両親から生まれた子どもでも、常日ごろ運動できるような環境に置かれれば、運動をしない環境にあった子よりも運動神経は伸びるのです」

 つまり、運動神経がよくなるかどうかは、 遺伝的要素よりも、いかに運動する環境を与えられるかということのほうが重要なのだ。

「LACは2歳の子どもからみさせてもらっていますが、2歳の子どもにどんな才能があるかはわかりません。成長していく過程で子どもがどんなスポーツに興味をもってもいいように、あらゆるスポーツに対応できる土台作りを大事にしたいと考えています」
 
 好きこそ物の上手なれ、という言葉があるように、子どもが好きになったスポーツに没頭することが上達への近道に違いない。どんなスポーツを好きになってもいいように、あらゆるスポーツのベースとなる部分 を構築しようというのがLACのコンセプトである。
 
 また、最近ジュニアサッカーの取材現場で長年の指導者からよく話に聞くのは、近年、子どもの運動能力が著しく低下しているという懸念の声だ。高く舞い上がったボールの落下地点がなかなか予測できないなど、十数年前の子どもであれば普通にできたことが今はできなくなりつつある。

 これは校庭や公園の使用が規制されたり、友だち同士で集まってもゲーム機で遊んでいたりするなど、変遷する時代背景が子どもの運動能力を低下させる由々しき事態をまねていると考えられる。

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