頑固で貪欲。「チームメイトにパスを出さない」ほど勝気だった南野拓実の中学時代
2019年01月29日
コラムUAE(アラブ首長国連邦)で開催されているアジアカップ2019は昨日、準決勝が行われ、日本代表はイラン代表に3-0で快勝。ファイナルの舞台へと勝ち進んだ。勝利の立役者となったのはトップ下で先発した南野拓実。相手選手がプレーを止めてしまう中で、一人でボールを追い続け大迫勇也選手のゴールをアシストしたシーンをはじめ、全ゴールに絡む活躍を見せた。勝気で生粋のストライカー気質であったという南野はどのような中学時代を過ごしたのか。『僕らがサッカーボーイズだった頃3』から一部抜粋して紹介する。
取材・文●元川悦子 写真●Getty Images
【南野拓実の少年時代】“生粋の負けず嫌い”南野拓実の少年時代。「なんで俺を交代さすんや。もっとやらせて。俺、サッカー好きやねん」
ゴールへの貪欲さはすでに持ち合わせていた
泉佐野市立第三中学校に上がった2007年、南野はセレッソU-15に入った。自宅からセレッソの南津守グラウンドまで通うのに決して楽な道のりではない。同期の中でも彼が一番遠くから通っていた選手だった。
「確かに大変だったけど、一人で電車に乗って自分を客観視できたのはよかったですね。中1の頃は、横山(貴之=現清水エスパルスU-14監督)コーチから『お前はプレーが荒い』とよく怒られていましたから(苦笑)。当時の自分は思春期の点取り屋にありがちなメンタリティだった。ドリブルにこだわっていて、好きなことしかやりたくないと考えていたんで、2タッチゲームとかをやらされると急にやる気がなくなったり、イラっと来たりしていた。そういう悪循環は高2くらいまで続いていました。それでも、電車に乗って考える時間を持てたから、気持ちを切り替えることができました」と南野は遠距離の練習場通いをポジティブに捉えていた。
中1からセレッソU-15入りした同期には秋山大地、小暮大器といった面々がいた。中でもクーバー・コーチング・サッカースクール住之江校の出身だった秋山とは仲がよく、ピッチ内外でよくコミュニケーションを取り合う間柄だった。ユースを経てプロになるまでともに切磋琢磨してきた南野について、秋山はこのように語っている。
「正直、セレッソに来たばかりの頃の拓実は小さくて、そこまでうまいとは思わなかったですね。ただ、勝気な部分がすごかった。そこは他の選手とは比べ物にならないほどでした。もともとFW気質が強いのか、『絶対俺が決める』とボールをチームメートにもパスしなかったですね(苦笑)。あの頑固さは拓実の大きな武器。そういうやつだから、海外に出て行くんだなと今になって改めて感じます。
『自分が決める』というゴールへの貪欲さは、中2、中3と年齢を重ねていくごとにより一層、強まっていきました。中2から一気に身長が伸び、体も大きくなって、どんどんうまくなった。ゴール前の嗅覚も研ぎ澄まされていったと思います。一緒に試合に出ていても『やっぱり拓実、ここにおんねんな』っていうシーンはよくあったし、つねに点が奪えるポジションを取っていた。そういう部分を含めて、やっぱり拓実は俺が見てきた中で最高のストライカーだと今も思っています」
カテゴリ別新着記事
ニュース
-
フットサル日本女子代表、タイ遠征参加メンバー発表!2025.04.01
-
なでしこジャパン(日本女子代表)、国際親善試合に臨むメンバー発表!2025.03.31
-
U-17日本代表メンバー発表!【AFC U17アジアカップ サウジアラビア2025】2025.03.19
-
サッカー日本代表メンバー発表。上田綺世や伊藤洋輝が復帰!【FIFAワールドカップ26アジア最終予選】2025.03.14
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.24
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.24
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.24
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.24
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.24
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- なでしこジャパン(日本女子代表)、国際親善試合に臨むメンバー発表!
- ポジションが変わらない息子
- 2013年度 ナショナルトレセンU-14 後期の開催概要および参加メンバー発表
- 頭と体を同時に鍛えるアジリズムトレーニングの基本
- 昨年度全国決勝大会で準優勝のmalva千葉fc U-12、4年連続で全国の舞台へ
- 乾貴士選手の実戦的ドリブルテクニック!! DFの「心理」を利用する突破法
- 『ダノンネーションズカップ2018 in JAPAN』予選リーグ結果
- 子どもは寝ないと育たない? 再認識したい「睡眠」の重要性
- 低学年と高学年の食事量の違いは?/小学校5・6年生向けの夕食レシピ例
- U-17日本代表メンバー発表!【AFC U17アジアカップ サウジアラビア2025】