本当のクリエイティビティは「型」から生まれる。状況と戦術はセットでなければ意味がない
2019年03月04日
コラムドイツにルーツを持つシュタルフ悠紀リヒャルト氏は、個人戦術は「計画的に、状況と戦術をセットで教えてあげる」ことが望ましいと話す。全4回に渡るシュタルフ氏へのインタビュー最終回となる今回は、個人戦術の落とし込み方や、選手のクリエイティビティを引き出すアプローチなどをテーマに話を聞いた。
取材・文●高橋大地(ジュニサカ編集部)、写真●ジュニサカ編集部
【第3回】「1対1」にも戦術が必要。シュタルフ氏が考える個の育成の定義とは
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――前回の話のつづきになるのですが、実際にシュタルフさんがドイツのC級ライセンスで学ばれた個人戦術の話を具体的に教えてください。
「まさに1対1の戦い方で、日独フットボール・アカデミーでも行っていることです。
ただ1対1をさせれば良いということではなく、前提として1対1のトレーニングはすべて状況が試合と結びついていなければ意味がありません。1対1の練習自体はどこもたくさんしていると思うのですが、1対1は状況によって変わりますよね。
例えば、サイドでの1対1と中央での1対1は全然違います。さらにサイドでの1対1でも相手が離れている状態と相手がすぐにプレッシャーをかけてくる状態と相手を背負っている状態は、すべて違いますよね。攻撃側においても守備側においても。
状況に応じたベーシックなコツ、相手が離れているときは『こういうことをやればより有利に戦えるよ』とか『相手を背負っているときはこういうところにボールを置けばボールを取られないよ、逆にこうするとボールを取れるよ』とか。そういうことをほとんどの子は教わっていないのではないでしょうか? 感覚でできる子はできるし、できない子はできない。そういうところはもったいないなと感じています。
1対1の状況と戦い方を教えていけば、やがてスタンダードができます。空手でいうと型。クリエイティビティとは、そういった型があるからこそ生まれるものであって『相手がこう来るだろう』と予測し意表を突く。『そっちにコントロールするんだ!』と、みんなをあっと言わせるようなプレーが生まれる。
でも、まずその型が足りない。それを教わっている選手が少なすぎる。もっともベーシックな、育成ピラミッドでいうと最下層の部分を踏んでいっていないんだなということはよく感じます」
――個人戦術というのはドイツではU-12の所で確実に教えられているんですね。
「今はライセンス名は変わっているんですが、僕が受講したときはC級で教えていて、子どもたちには11人制になるまでぐらいは個人戦術に重点を置くので、U-13までには学んでいます」
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