子どもが試合で力を発揮するために…。試合の日から逆算した献立の考え方
2019年03月26日
コラム4月に新学期を迎えて学年が上がると、試合数が増え、それを乗り切る体を作るための準備が大事になります。試合で力を発揮するために、大事な試合に備えた「メニューの立て方」を管理栄養士の川上えり先生に提案してもらいました。
構成●宇野美貴子 写真●ジュニサカ編集部
【前回】成長期の主食は「ご飯」がオススメ! 丈夫な胃袋を作るためにできる食事の工夫
勝負の日を迎えるまでに大事な日常的な食事
試合などの「勝負の日」を見据えてメニューを作るのは、アスリートには大切なルーティーンです。日常的な食事メニューは筋肉や骨を作り、体の調子を整えるために考えます。そして、試合が近づいたら、今まで以上に体の調子をよく見て、風邪などの病気にならないよう、また食中毒などにかからないように注意したメニューに変更します。さらに、試合当日には、試合のスタート時間を考え、最高のパフォーマンスを展開できるように、消化の良いものを食べるようにします。突然、トイレに駆け込むような事態になったら大変ですから。そのようにアスリートは自分の体と対話しながら、管理栄養士に相談して試合に向けた食事のメニューを決めていきます。
ジュニア年代の家庭でも、子どもと一緒に勝負の試合に備えた献立を考えていくことは食育の面からも大切なことです。
その前に、日常の栄養について復習したいと思います。ジュニア年代の子どもたちにとって一番大事なことは、毎食、栄養バランスのとれた食事をとることです。「栄養バランスがとれているかどうかわからない」という方は、栄養素を6つに分けたこの色を覚えてください。
※補足:川上えり先生の食に対する基本的な考え方【前編】【後編】
1食ごとの食卓に6色すべてが並んでいれば、バランスがとれているということです。「白」はエネルギーのもとになり、「赤」と「黄色」は体を作るもとになり、「緑」「黒」「青」は、体の調子を整えるもとになります。
食べ物が赤いから「赤」ではありません。イカやホタテは白っぽいけれど、動物性タンパク質なので「赤」で括ります。代表的な食材の肉が赤いからと覚えればいいでしょう。「赤」を摂れば「黄色」の植物性タンパク質は食べなくてもいいのではないかと思うかもしれませんが、子どもには両方食べさせてください。
この6色に分けた栄養素を親子で覚えていけば、子どもたちにも「今日は黒がないよ」「赤がたくさんだね」といった知識が生まれ、次第に自分でも栄養管理をすることができるようになります。
「黒」の海藻類やきのこなどには「栄養がないのでは?」と思われる方もいますが、そんなことはありません。海藻類のコンブやワカメなどのヌルヌルの成分には水溶性食物繊維が多く、便通をよくする働きがあります。また、鉄分やカリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルが豊富なので体の調子を整えたり、骨や歯の材料になったりします。
キノコにはビタミンDが豊富です。ビタミンDは、カルシウムと一緒に摂ると、カルシウムを骨や歯になるために使いやすい状態にします。また、キノコには不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が含まれているため、より腸内環境をよくする働きが期待できます。
「水分」は、これからの季節、特にスポーツをしている子どもたちには大事になります。熱中症を予防するだけでなく、血液中の成分としてもしっかり摂取することが大切です。汗をかいた後の水分補給なら、水だけでなく、ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウムなどを補給することで、体液の補充になります。つまり、水と少量の塩・糖分を摂取すること。ポカリスエットなどのスポーツ飲料がこれの代わりになります。
このように、これら6色はどれ一つとして不必要なものはありません。栄養がお互いを助け、相乗効果を生みながら、ジュニア年代の子どもたちの体づくりをしていきます。
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