頭が変わればすべてが変わる。“GKを準備できる”指導者の心得【GKを準備する】
2019年06月28日
メンタル/教育
【マンチェスター・シティのグアルディオラ監督(右)とGKのエデルソン(左)】
――GKのことを「理解」している監督について質問です。18-19シーズンのプレミアリーグでマンチェスター・シティがフリーキックから失点してしまった場面がありました。そのとき監督のペップ・グアルディオラがベンチのスタッフにものすごい形相で何か言っているというシーンがあったのですが、世界的にGKを「理解」している監督、指導者は増えているのでしょうか?
ちょうど先日の講座でも話したのですが、ゴールキーパーに関して何かちょっとでも「知っている」監督は世界で3人しかいないと思っています。それがペップ・グアルディオラ、アンドレ・ヴィラス・ボアスとジョゼ・モウリーニョです。私が知る限りこの3人だけです。しかもこの3人でも完璧に理解しているのではなく「何か」です。
監督は、チーム全体のこと、フィジカル、戦術などすべてを考えなければならない。でも「チームが勝つための重要度60%を占めているのは誰なんだ?」と、私は言いたい。
――前回してくれたお話ですね。
サッカーのリーグ戦で勝ち点を稼ぐために一番考えなければならないのは、点を取られないことです。失点しないためには、守備のオーガナイズを整えることが重要です。守備のオーガナイズを整えるためには、キーパーのことは“絶対に”知らなければならない。
どんな状況でも、最後は必ずゴールに向かってボールが飛んできます。ボールがゴールラインを割る可能性をどう消すのかを考えると、その可能性を消す方法をキーパー自身が理解していれば解消できる問題はいっぱいありますよね。
キーパーコーチには3つのタイプがあるとしましょう。1つ目は「自由」なキーパーコーチ。監督がキーパーのことを何も知らないから、キーパーコーチは何も聞かれません。だから自由です。なぜかというと、そういう監督は大体DFの責任にします。「DFがちゃんとついていなかったからだ」とか「シュートをフリーで打たせたからだ」とか。
2つ目は監督から「今、何が起こったの?」と聞かれたら「監督が見たままだ」と答えるキーパーコーチ。「だって裏のスペースにFWが入ってきて、フリーでシュートを打たれたらキーパーはどうすることもできないじゃん」と答える人。どうすることもできなくなる前に何かできることはなかったのかを考えられない。
3つ目は、「あの場面ではキーパーがボケてた、寝てた」と答えられるキーパーコーチ。この3つ目の人が「キーパーを準備できる人」です。例えば監督の質問に対して責任をもって「あれはキーパーのせい。キーパーに責任があって、ちゃんと状況を見ていれば、シチュエーションで予測が立ったはずだ。その場合にはこういった可能性があって、こうなる可能性がある…。そういう予測を立てなられなかったことが問題だ」と言える。
現状は、監督にこの3タイプのうち「うちのキーパーコーチはどのタイプなのか?」がバレていません。私も監督から聞かれることはありませんが、そのままにしておくことはありません。でも、私は自分の教え子であるキーパーに言います。「こういう場面でお前はボケてただろ」と。
これは世界的な問題なのですが、キーパーのことを話している本や記事がほとんどない。だからこれをいい仕事にしましょう。記事を読んだら、まず監督がハッとするように。
ジョアン・ミレッ氏 監修『ジョアン・ミレッ 世界レベルのGK講座』2020/1/15発売!
<プロフィール>
ジョアン・ミレッ
1960年11月1日、スペイン・カタルーニャ州出身。選手としてスペイン2部でプレーしたのち、1985年にテラッサ(2部)の育成GKコーチに就任。2000~2012年までゲルニカ(4部)のトップから育成までのGKコーチを務めた。2013年に来日し、湘南ベルマーレのアカデミーGKプロジェクトリーダーを経て、2017~2018年までFC東京のトップチームGKコーチ。現在はJFL奈良クラブのアカデミーGKダイレクター。
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