なぜ“石川直宏”は人を惹きつけるのか。今季での引退を決意した“ミスター東京”の少年時代

2017年08月04日

コラム

中学に上がる石川直宏選手が選んだ選択

TOKYO, JAPAN - MAY 02:  Naohiro Ishikawa (C) of FC Tokyo controls the ball against Thomas Broich (L) of the Roar during the AFC Asian Champions League Group F match between FC Tokyo and Brisbane Roar at the National Stadium on May 2, 2012 in Tokyo, Japan.  (Photo by Kiyoshi Ota/Getty Images)

 そういう中で、夢であるプロサッカー選手になるのは非常に難しい。本人も将来に向けてどういう道を歩むべきか悩んだことだろう。そんな折、桐蔭中学のサッカー部の田部和良監督から「ぜひ一緒にやらないか」と声をかけられた。進学校でありサッカー強豪校として知られる桐蔭学園なら、サッカーも勉強もいい環境の中で取り組める。両親もこの話に賛成し、親子で中学受験を目指すことにした。

「直宏には小6の秋から4カ月間、近くの進学塾に通わせました。家庭教師にも来てもらって勉強させたんです。でも中学受験する子っていうのは、何年も前から準備しているんですよね。直宏も『有名な塾とか通っている子ばっかりだよ』と自信なさそうに言っていました。 結局、不合格になってしまった。あの子にはかわいそうなことをしたと思っています」

 父・二三夫さんは申し訳なさそうに語ったが、直宏少年自身は比較的アッサリしていた。ダメなら別の場所でプロを目指せばいい。そう割り切って、前から誘ってくれていた横浜マリノスの下部組織へ進もうと決めた。マリノスのジュニアユースは当時、新子安と追浜に2カ所あり、どちらも通える範囲だったが、学校との両立や金銭的な負担、さらには選手としての自分のプレースタイルなどを考えて、追浜を選んだ。

<関連リンク>
【後編】「学校の友達から嫉妬されたり、靴を隠されたりした」紆余曲折の連続だった石川直宏選手のサッカー人生


プロフィール

著者:
元川 悦子
(もとかわ えつこ)
1967年、長野県生まれ。業界紙、夕刊紙記者を経て、94年からフリーランスのサッカージャーナリストとして活躍中。現場での精緻な取材に定評があり、Jリーグからユース年代、日本代表、海外サッカーまで幅広く取材。著書に『U-22』(小学館)、『古沼貞雄・情熱』(学習研究社)、『黄金世代』(スキージャーナル)、『いじらない育て方 親とコーチが語る遠藤保仁』(NHK出版)、『勝利の街に響け凱歌―松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)、『高校サッカー監督術育てる・動かす・勝利する』『高校サッカー勝利学 ―“自立心”を高める選手育成法―』(小社刊)などがある。


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【商品名】僕らがサッカーボーイズだった頃
【発行】株式会社カンゼン
【著者】元川悦子
四六判/256ページ
2012年7月23日発売


 

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