サッカーで「声を出す」意味って? 理解しておきたい声出しの“必要感”と実践法

2018年01月22日

メンタル/教育

声を出すことは大事となんとなくわかっていても、子どもたちの個性に任せていることがありませんか?しかし、声を出すことにはとても大きな意味があります。一体どのような意味があるのか。コミュニケーション、言葉と声について研究をしている青木伸生先生のお話に耳を傾けます。

文●戸塚美奈 写真●ジュニサカ編集部、佐藤博之

『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.23』より転載

※この記事は、2013年9月11日に掲載されたものを再編集したものです。


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「声を出す」大きなメリットとは

 声を出すことの大きな意味のひとつに、「自分の気持ちを高めること」があります。

 今年、学校の運動会で、5、6年生の騎馬戦に向けて先生たちが「今年は、子どもたちが絶対に負けない最強の作戦を考えた」と、とても面白い話をしていました。その作戦とは、「よーいドン!」の太鼓と同時に、「オーッ!」という鬨の声を上げ、正面から突っ込んでいくというものなのです。

 今までは、相手の出方を見ながら少しずつ回り込もうとか、どういう陣形を組むかといった戦略が主だったのですが、今年はどう攻めるかではなく、とにかく声を出すことにした。これがかなり効果があったということです。

 うちの小学校は、校舎に囲まれたグラウンドなので、応援席の声も含め、敵味方双方の声が反響しますから、周りの声、自分の声が耳に入ってきて、ますます士気が高まるんですね。

 そもそも、「オー!」という鬨の声というものは、大昔からあるものです。戦国時代は侍たちが「かかれー!」「オー!」と声を出して敵陣に突っ込んでいたわけですよね。いざというときに、お腹から大きな声を出すことで士気を高め、自分に喝を入れる。声を出すことは昔から大事にされていて、その効果について人は昔から経験的に知っている。そして、もちろん今の世の中にも通じることなんです。

 声を出すことの、もうひとつの大きな意味は、声を出すことで体が作れること。

 声はお腹から出しますから、体の芯がしっかりしていないと声が出せません。つまり、声をしっかりお腹から出すということは、体幹をしっかり鍛えていくことにつながります。声を出すことで体を作る。体ができている子は声が出る。声と体の相関関係は確実にあるのです。

 体のしっかりしてる子や、50メートル走など、かけっこでぶれない走り方をする子は、やはり体から声を出せます。声を出していくことは、成長期の体作りにも重要なことだと思います。

 スポーツの試合中など、声を出すことで元気が出る、とはよく言われますが、科学的根拠があるのかどうかについてはちょっと疑問です。ただ、そう言われることについて思い当たることはあります。

 山登りなどに行くと、子どもはすぐ疲れますが、少し休むとすぐ回復するんですね。大人の場合は、一度疲れるとなかなかリカバリーできません。けれど、子どもは、少しの休憩とアメ玉で、たちまちうるさいぐらいに元気になってしまいます。

 そうした子どもの体力を考えると、ちょっと休ませ、給水し、そこから再び声を出させていくことは、スタミナ面でも大きな意味があるのかもしれませんね。

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