サッカーエンタメ最前線 サッカーを読み解く 遠藤保仁の「眼」
2013年04月05日
サッカーエンタメ最前線少年時代から、広い視野を持ってプレーしていたという遠藤保仁選手。33歳でいまなお、ガンバ大阪と日本代表の中心でプレーし続ける遠藤選手の特長はどのようにして育まれてきたのか。4月3日に発売された『眼・術・戦 ヤット流ゲームメイクの極意』の内容に触れながら、その一端を紹介する。
————————————————————————————–
小学生のときには相手の監督も見えていた
「どうしてかなー、説明するのは難しいですねえ」
トレーニングを控えて練習着姿の遠藤保仁は、ソファに座り直しながら少し考え込むしぐさを見せた。考え込むといっても、眉間にしわを寄せるようなタイプではない。本当に考えているのかどうか怪しいぐらいの、いつものとおり、飄々と風に吹かれているような顔つきである。少し整理したほうがいいと思って、質問を刻むことにした。
「いつごろからですか?」
「中学生ぐらいからですかね、固まってきたのは高校あたりですけど」
一瞬で状況を読みとる。これはサッカー選手としての彼の特技といっていい。ピッチ上の敵味方を全員見るようにしているという。誰がどこにいるのかを言えるように。それどころか、小学生のときには相手チームの監督まで見ていたそうだ。相手チームの監督がベンチで何か言っていた。「何か騒いでいるな」と。普通なら、それで終わりである。ところが、遠藤少年は監督の指示内容を聞きながらプレーした。それで、相手チームが何か修正してくるかもしれない。だったら、先手を打っておこうと。
「ずっと言われていたんですよ、頭を使ってプレーしなさいって」
頭を使って賢くプレーするためには、まず周囲を見ておこうと考えた。
「まず首を振ることかなと。GKの位置とかも含めて、全部の選手がどこにいるか言えるぐらいに見ようと思ったんです。あの、公園のあっちのほうでブランコが揺れているとして、視界に入ってても言えない人が多いと思うんですよ。右から二番目が揺れてますよ、というところまでは。なので、それも言えるように反復練習するようになった。普段の生活から、視界に入るものは自分の中で整理できるように。それがやれるようになってきたのが中学生の終わりぐらいですかね」
それから積み重ねて今日に至っている。調子のいいときは、誰がどこにいるのかは予測でわかるそうだ。
「すべての選手を見るのは難しいんですけど、調子がいいときは“ここにいるだろうな”というところまでドンピシャでわかります。そういうときはプレーが楽ですね。遠くのほうをしっかり見て、近くは残像で見る感じですかね。近いほうは自然に目に入ってきますから」
カテゴリ別新着記事
ニュース
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.04.24
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.04.24
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.04.24
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.04.24
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.04.24
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- 「2025ナショナルトレセン女子U-14前期」参加メンバー発表!
- U-16日本代表メンバー発表!【U-16インターナショナルドリームカップ2025 JAPAN】
- U-20日本代表メンバー発表。サウサンプトン・高岡伶颯や石井久継らが選出【第51回Maurice Revello Tournament】
- U-19女子日本代表メンバー発表!【SUD Ladies Cup 2025】
- U-17日本代表、スペイン遠征に参加するメンバーを発表!
- 逆転勝利を呼び込んだ頭脳プレー! “野沢菜旋風”なるか? 長野県代表・ノザワナFCが堂々の2連勝スタート!
- 「2025ナショナルトレセンU-14前期」参加メンバー発表!
- 話を聞けない子どもがいたら?
- 超一流アスリートには共通点がある! 身体が目覚める「骨盤おこし」ってナンダ?
- 【第38回全日本少年サッカー大会】福岡県大会 決勝フォトレポート&結果 「強さの証明。圧倒的な攻撃力を見せたBUDDY FCが7年ぶり2度目の優勝」