サッカーを続けるための進路~〝文武両道″をモットーにサッカーを続けること

2013年07月06日

メンタル/教育

桐蔭学園サッカー部でレギュラーをつかむには?

――桐蔭学園中学のサッカー部は推薦で集められた選手ではなく、全員が一般入試を経て入部してくる選手です。サッカーの強さにはどんな秘密があるのでしょうか?

桐蔭学園の特徴は「能力別の授業」です。試験のたびにクラスの入れ替えがあり、その子の能力に応じたレベルの教育をする。本人のためを思うとそれが一番フェアだし、理にかなっていると思うんです。ですから、サッカーも能力別の指導をしています。

毎年サッカー部入部希望者は100人くらいいましたが、現中3までは入学後にセレクションを行い、一学年18人に絞っていました。その他はサッカー同好会に入り、中体連がやっているオフィシャルな大会は出られないけれど、県の私立のリーグやトーナメントに出場する形でやってきました。

2010年からは学校の方針が変わり、現中2以下は、希望者を全員サッカー部に受け入れることになりました。しかし、能力別という考え方は変わっていません。

Aチームが全国を目指して練習する各学年20人ほどで、Bはそれ以外の2年生、Cがそれ以外の1年生です。今はすべての選手をサッカー部で見ているので、セレクションの必要もありません。普段から見ているので、セレクションより細かくわかりますから。がんばっているなと思えばAチームに上げるし、ダメだと思えば即下げる。以前よりチャンスは広がったとも言えます。

――選手を選抜する際にポイントとなるのはどんな点ですか?

まず「止める・蹴る」の技術。そして、何が見えているのかということ。味方にボールを出すときにどこが見えているか。見えているけれど技術がないのなら、練習を積めば直せる。でも、見えていない子は決して的確なボールを出せません。

次に「素直さ」。ボールを持っていて良い場面・悪い場面、そのあたりの定義がわかってくるとサッカーが変わってくるんですが、いくら言っても変わらない子がいます。どのエリアにいても、ボールを持つと本能でドリブルしてしまうようなタイプ。気づく子は素直にプレーを変えようとします。

そして、絶対に持っていてほしいのは、「負けん気」。残念ながら、最近、負けん気が強い子は少ないですね。「逃げるな、歯を食いしばれ!」と毎日繰り返し言っていますが…。僕なんて、じゃんけんだって負けたくないのに(笑)。この学校に就職して、監督をやるからには、絶対に日本一を目指そうと決めてここまで来ました。夢のない大人が子どもに夢を与えられるわけがないじゃないですか。

――育成世代は勝ち負けじゃない、というような風潮もありますが。

じゃあ負けていいんですか? って思いますね。負けるには原因がある、努力が足りない、そこを考えなきゃダメだと思います。なんだって、真剣勝負をするから伸びるんであって。負けん気がある子、歯を食いしばってがんばる子に来てほしい。

――高校ではスポーツ推薦で入部する選手もいます。中学から入る場合、高校選手権は想定しないほうがいいですか?

選手権を目指していいんじゃないですか? 高校の段階で入って来たとしても、そこでレギュラー争いに打ち勝たなければメンバーにはなれないわけですから。実は高校のサッカー部で選手権に出ている年は、桐蔭中学から上がった子が半分ぐらいレギュラーで入っている年なんです。サッカーとは何ぞやという部分を中学時代に学んでいるので、それこそ歯を食いしばるんですよ。2008年に全国中学校サッカー大会で優勝したメンバーが、そのまま高校に上がり、2011年に高校インターハイで全国優勝しているんです。

彼らは、最初に言った「素直さ」を持ってる学年でしたね。なおかつ、高校から入った選手たちも、性格的に良い子たちで、うまく融合した。選手権に進めた年のチームは、みんなそういうチームです。とにかく「素直な心」と「負けん気」。このふたつを持っていることが何よりも大事です。

 

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