サッカーも勉強も伸びる子になる! すべての土台は“国語の力”にあった!

2013年10月02日

コラム

言葉は正確に相手に伝わるように工夫して

 さらに大切なことは、正確に語ること。言葉というのは、正確さが大事です。気分だけを共有したいような、何を言いたいのか自分自身も明確にしていないしゃべり方ではだめなのです。

 そして、正しく言うだけでなく、豊かに、相手に伝わるように話すことです。例えば比喩を使ってみる。仮に試合の話をするときなどに「串団子作戦だ」というようなユーモアな表現を使ったりすると伝わることもあるかもしれませんね。つまり、イマジネーションやこれまでの経験から、相手がわかるように工夫して話すのです。

 子どもとの会話の中で「それじゃお母さんわかんない。例えばどういうこと?」と伝えることで、子どもは「相手に伝わるように説明しなければならない」ということがわかってきます。

 また、作文が苦手な男の子も多いものですが、男の子は男の子ワールドを生きているので、作文として定着するにはどうしても時間がかかるものなのです。でも宝物の体験はたくさん持っていますし、五感で感じたことはいっぱいある。それを言語化することに慣れてないだけ。

「あなたはいっぱい宝物を持っている」「いいこと気づいたじゃない、書きなさい」と書かせましょう。ひとたび言葉にすることを知ると、どんどん書きたくなる。それが言葉を身につけて行くひとつの過程です。作文教育って、実はそのためにあるんですね。

トップの人は必ずノートをとっている

 スポーツでトップの人は必ずノートをとっています。野球でいえば解説者で元楽天ゴールデンイーグルス監督の野村克也さん、サッカーなら中村俊輔選手が有名ですが、それも国語力。自分で意味を引き出し、問題点を明らかにして、解決策はこうしたらいいじゃないかと言葉にして出していく。

 実際にやってみて、またフィードバックしてくる。その過程は、国語力という土台がなければ到底できないことです。

 言葉の力をつけた上で、手を動かしながら、ものを考え、考えるときにはとにかく図にし、矢印などを多用して、見える形に、自分の考えを映像化していくのです。中村俊輔選手のノートは、矢印で図がたくさん書いてあるでしょう。手を動かしながら考えるというのは、考える力がある人の大きな特長です。

 ボケーッとしていたら、なんとなくボールが来た。蹴ったら入った。そのような、運動の勘がいいという才能はよく見かけます。

 しかしそうした才能は、決して後伸びしません。何も考えずにその場その場で蹴っているのと、「こうやって、こうするには、こっちに行ったときこうしなきゃいけない」と言語化して考えた結果は全く違うものです。

 サッカー選手も最後の最後は、頭がよくなければダメ、などとよく言われますが、これは実は国語力、言語力のことなんですね。

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