学校では教えてくれないサッカー栄養学 世界で闘うための選手の食事【後編】

2014年01月12日

コラム

オフ・ザ・ピッチでこそ子どもの体は作られていく!

――意識を持って栄養をきちんと摂れば、必ず体は大きくなっていきますか?

発育には個人差がありますから、栄養を摂った効果がどう体に現れるかは難しい問題ですが、それは結果的に大人になってから違いとして出てくると思います。

トップを指導している人たちに聞くと、やはりプロになってから体を作ろうと思っても思うように筋肉が増えないと言います。大人になってからだと脂肪も増えてしまうし、成長期が勝負なんです。

やはりこれから世界で闘うプレーヤーになるためには、体が大きいことは大事です。2002年時、Jリーグの平均体重は67キロ。代表の平均は72キロちょっと。Jの平均より5キロも重い。世界で闘える選手を選ぶと自然とそうなるということですね。

――成長期に体を作っていくためにも、小学生年代は親がどういうふうに子どもに食事を与えていけばいいのでしょうか?

食事を通して食べる楽しさを持たせながら、「ちゃんと食べると強くなるよ」と繰り返し言っていくことでしょうね。それから、憧れの選手がちゃんと食事に取り組んでいる姿も見せたい。

好きなものを食べながらでも、知識があればバランス良く栄養を摂れるんだということも教えたいですね。栄養学を押しつけると、おいしいものが一切食べられなくなる、というイメージがありますから。「から揚げもハンバーグも食べていいんだよ。だからこれとこれも食べようね」というふうに子どもに伝えられたらいいんじゃないでしょうか。

家庭での食育はすごく大事です。好き嫌いがあって困っているなど、食に悩みのあるお子さんもいると思いますが、中学生くらいだと大丈夫。食習慣は必ず直ります。栄養面は中学からやれば間に合いますよ。

――最後に、プロを目指すサッカー少年たちに何かアドバイスをいただけますか?

「苦手を作るな」ということですね。試合で戦うときも、苦手な相手もいるでしょうけど、そんなことを言ってたら勝てないですよね。だから苦手を作らないようにして練習する。食べ物も同じです。「子どもの頃から苦手を作らない。苦手を克服する」ということが大事だと伝えたいです。もちろん、アレルギーの場合には代替食を考えなければいけませんが。食事はサッカーがうまくなることに直結してるんだ、ということを忘れないで欲しい。寝ることと食べること。実はそういうオフ・ザ・ピッチでこそ体は成長しているんです。


ジュニアのための栄養ポイント3カ条

1・苦手を作らない!
食もサッカーも同じ。苦手を避けていたら勝てない。苦手を克服することで心身ともに強くなる。

2・バランスよく食べよう!
食事は毎日、一生続く。好きなものを我慢するより、バランスよく楽しく食事をすることが大事。

3・栄養知識を身につけよう!
栄養セミナー、家庭科の教科書、本を利用して、少しずつでも栄養知識を身につけていこう。


プロフィール
杉浦克己(すぎうらかつみ)

立教大学 コミュニティ福祉学部
スポーツウエルネス学科 教授

1957年東京生まれ。静岡大学理学部生物学科、同大学院修士課程を終えて85年に明治製菓株式会社に就職。ビフィズス菌の研究を経てスポーツ食品の企画に携わり、アスリートの栄養指導業務が主となる。98年に東京大学大学院で博士号を取得。2006年より立教大学教授となる。2002年日韓ワールドカップではトルシエジャパンの栄養アドバイザーを務めた。著書に、『選手を食事で強くする本』(中経出版)『ダイエットフィットネスの基礎知識』(福村出版)等がある。

 


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