【第39回全日本少年サッカー大会】決勝大会 ジュニサカ取材日記⑦「小学生年代の新たな聖地・鹿児島で輝いた選手たちの未来」
2015年12月30日
大会情報選手たちが感じたさまざまなこと
そういった点取り屋たちが活躍できるのも後ろにいる選手たちが各々の役割をしっかりこなしているからこそだということを忘れてはいけません。豊富な運動量を武器に、サイドや中盤でレジスタの中心選手として活躍した6番・小林純太くんは「今までで1番みんなの気持ちがひとつになっていた」と、今大会で優勝できた要因を語り、GK彼島優くんは「春まではなかなか結果が出なかったけど、夏に新座片山に勝ったあたりからチームに自信がついてきた」とキャプテンとしてチームを支えてきたこの1年間を振り返ってくれました。
一方、アントラーズの選手たちも決勝で敗れ涙したものの試合後のロッカールームでは、次のステップへ気持ちを切り替えていました。18番・伊藤龍之介くんは「セカンドボールの予測を速くすることと、もっとボールを呼び込んで攻撃参加すること」と細く自らの改善点を分析。2番・綿貫海斗くんは「もっと自分で状況を打開できる選手になりたい」、8番・岩間翔大くんは「いろいろなポジションをやるので、バックとして出た時はチームの失点を抑え、ボランチとして出た時にはアシストで貢献できる選手になりたい」、6番・大輪風心くんは「攻撃では積極的に1対1を仕掛けて、守備では球際の部分で負けないような選手になりたい」と、今大会を通じて見つけたそれぞれの課題と向き合っていました。
また今大会は、初の鹿児島県での開催。決勝に残った関東の2チームの選手たちの多くは初めて足を踏み入れた場所でした。優勝したレジスタにおいて「10番つけてプレーしていることが幸せ」だと語る川地皓くんは、受け答えやプレーぶりは堂々としているものの、まだ5年生。初めて来た鹿児島県ついては「食べ物が美味しくて、特にトンカツがものすごく美味しかった」と目を輝かしていました。
決勝でアディショナルタイムに追加点をあげた篠田くんは、プレー以外にも大会を通じて感じたことがあったと教えてくれました。それは相手選手やコーチを“思いやること”。その言葉の意味を詳しく聞くと「(うまくいかなくて)文句を言って、喧嘩になったりしても何も良いことはないってわかったんです」と教えてくれました。
約9000分の1。この学年で優勝という経験を出来たのはレジスタの選手だけです。しかし、全日本少年サッカー大会がどれだけ権威ある大会だとしても、彼らはまだ小学生。惜しくも決勝で敗れてしまったアントラーズの選手、グループリーグ敗退をしてしまい悔しい思いをした選手、地域の予選で敗退をした選手たちもまた、“優勝”とは違った経験を積んでいるのです。その経験をどう次のステップに生かすか。ここからが選手たちにとって本当の勝負の始まりです。
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