前フットサル日本代表監督ミゲル・ロドリゴから学ぶ! フットサルをサッカーに生かす指導法とは

2016年08月15日

コラム

「自ら考え、判断する」

 日本の子どもたちを見ていると、『ドリブルはうまい』『パスはうまい』など部分的な要素が上手な選手はいますが、頭のないニワトリになっている。試合では流れを読む力、それにつながる状況判断能力が問われます。それは“速く考えること”にもつながっています。だから、私はインテグラル・トレーニングの重要性をうたうのです。

 週3回の練習があれば、アップからメインまですべてのトレーニングメニューにすべての要素を組み込まなければなりません。よく日本の指導者が重視しているテクニックだけではダメ。他の要素も加えなければなりません。スペインでも技術だけに特化したトレーニングを行うこともあります。しかし、メインになり得ることはないし、それに費やす練習時間も少ない。

 ポジションの特徴で話をすれば、プレッシャーが多く、状況判断能力が求められる中盤の選手にはインテグラル・トレーニングが重要になります。もちろん、近代サッカーではディフェンダーにもフォワードにも攻守両面の仕事が課せられているので、どちらにもこのトレーニングは大切です。

 バルセロナのチャビやイニエスタもジュニア世代ではフットサルを学んでいました。攻守の切り替え、マークの外し方、フェイントの入れ方、キープの仕方など様々なことを習得できるので中盤の選手にとってはアドバンテージが多い良い事例です。

 世界的に見回しても9~10歳まではサッカーの練習でフットサルを取り入れている国は多いし、特に日本はそうした方がいいと思う。日本には「前に習え」と先生が号令をかけたらみんながきれいに一列に並べるなど他の国にはない文化があります。しかし一方で、「自ら考え、判断する」ことが学校だけでなく、家庭でも機会が少ない。だから、サッカーが上達するという側面を考えたらフットサルでその機会を増やすことができるし、子どもたちも楽しいはず。

 私は日本の文化がとても大好きです。他の国にはないすばらしいものがたくさんあります。だから、それを取り外して考えることはありません。「ピッチの中に、もう一つの新しい日本を作ればいい」。日本の国旗はそれを表しているじゃありませんか。子どもたちに「変われ」とよく言いますが、それなら指導者も変わらなければならない。自分たちがもう一つの新しい日本を作るために、言葉から振る舞いからすべてを変えなければ子どもたちは変わらないから。


【連載】ミゲル・ロドリゴが教えてくれた「才能を引き出す」11の魔法


 

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