「育成は指導者の質がすべて」。大人たちが“余裕”を持つことの重要性/スエルテ横浜代表 久保田大介氏 編【短期連載】
2017年03月28日
コラム一人ひとりのボールタッチ数が増え、ピッチが狭い分全員が攻守に関わりやすくなる。8人制サッカーがスタートして5年がたった。“少人数制”サッカーの採用は4種の育成の現場に何をもたらしたのか。
2017年3月6日に発売となった『ジュニアサッカーを応援しよう! Vol.44春号』の第2特集では、複数のサッカー関係者に取材協力を頂き、8人制サッカーを見つめる企画を行った。ページの都合上、誌面ではインタビューの一部しか掲載できなかったが、それぞれに内容が濃く8人制サッカーを通してジュニアサッカーを見つめ直すいい機会になると考えたため、本誌とWebの連動企画として4人のサッカー関係者のインタビューを全文公開する。
三人目は横浜で活動しているスエルテ横浜で代表を務める久保田大介氏だ。8人制、また日本サッカーについてメディアを通して独自の見解を発信している人物ならではの意見をぜひご一読いただきたい。
久保田氏前編はコチラから
8人制サッカー検証 特集ページはコチラから
(取材・文●木之下潤 写真●佐藤博之)

悪いのは“8人制サッカー”なのか
――ローカルルールを含め、指導者が選手同様にもっとクリエイティブに考えることが大切なことですね。
「現場では、地域によって1人審判制も崩れています。日本人はちゃんとするのも度を超えているから『1人では全部を見られないよ』と3人でやっているところもあります。『ミスもあるし、それを含めてリスペクトする』というのが方針としてあったはずです。1人審判も8人制も指導者、つまり大人たちのスタンスがあまりに食い違うから議論が根本的なものになってしまうんです。
私が見たのは、幼稚園児なのに11人制をやっていたりもしました。たとえば、練習試合で対戦チームに選手がたくさんいたから『9人、または11人でやりましょうか』というと『大会が控えているので、8人制でお願いします』と返事があります。指導者がそういうものから脱却していかないと変わっていかないと思うんです。うちのクラブは人数が11でも15でもボールタッチを増やしてサッカーをします。現場のところは、どんなにJFAがトップダウンでいろんなことを発信しても変わっていきません」
――日本サッカーの仕組みだと、JFAが管理しているようでそうではありません。だから、ローカルルールもたくさん蔓延しています。たとえば、スエルテ横浜が活動されているエリアで「おかしいな?」と思うことがあったりしますか?
「うちのクラブは横浜市の協会には登録できませんが、神奈川県には登録できています。だから、公式戦は主にJFA管轄の大会(全少など)になります。でも、ジュニア年代では市の大会や地域の大会がたくさんありますし、うちはそこに出場ができません。横浜市に登録するには地域連盟の登録が必要になるのですが、なかなか許可されません。
そういうこともあって、うちは市の大会や地域の大会に参加できないんですが、そこに参加しているクラブは試合数が多すぎて『8人制サッカーがいいのかどうか』を考えている暇がないのだと思います。毎週末、公式戦があって『今日はスピードスターにやられた。次はどうしようか』となってしまいますから。もちろん、私もそこにいたらそうなってしまうかもしれないという不安は少しぐらいあります。その中にもたくさんいい指導者もいるし知り合いもいるけど、『そこまで考えていないだろ』という指導者もいます。正直、市や地域のレベルで公式戦なんて言っているから“大人が舞い上がってしまうのではないか”と感じてしまいます」
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