大人が子どもの失敗を恐れすぎていませんか? メンタルコーチが語る「メンタルを鍛える」ことよりも大切なこと
2017年09月05日
メンタル/教育子どもが通うサッカーチームの指導者不足で週末グランドに立ち指導をするサッカー経験のないお父さんコーチや、どうしても感情的になりがちな親子関係に悩んでいる人は少なくないと思います。そういったときに、誰でも明日から実践できる身近なメンタルトレーニング法はどういったものがあるのでしょうか。著書に『いまどきの子のやる気に火をつけるメンタルトレーニング』があるメンタルコーチ・飯山晄朗先生の話に耳を傾けます。
(取材●ジュニサカ編集部 写真●佐藤博之 イラスト●りおた)
※この記事は2017年9月5日に掲載した記事を再編集したものです。
“自信のない”子が多い原因は大人にある
――まず聞かせてください。ジュニア年代におけるメンタル面の特徴というのはどういったことがありますか?
飯山晄朗先生(以下、飯山) 小学生に限らずの部分もあるかと思いますが、基本的に“自信のない”子が多いですよね。自信のなさから自ら進んで行動できない子どもがいます。たとえば、練習で「二人組のパス回しを30回やってみよう」と伝えたとしても、そこまではやる子がいても、それ以上のことに挑戦しない子が多いです。どこかに「いや、ここまでしか言われていないからやらない」という思いがあったり、それ以上をやって否定されるのが嫌であったりと。また、自分がほかの人と違うことをするのが恥ずかしかったりする子もいるようです。そういった感情が自信のなさにつながってきます。
――どうして子どもたちはそう思ってしまうのでしょうか。
飯山 それは、家庭や学校での教育が影響していることが多いですね。たとえば、親御さんとしてもあまり失敗させたくない思いがあるので、「とりあえずこういう風にしときなさい」と言って、子どもは「うん、わかった」というスタンス。それまでにチャレンジすることに慣れていないと、そういうことになってしまうケースが多いのではないでしょうか。
――これを改善する方法はありますか?
飯山 今からお話するメンタルトレーニングのやり方に関しては、「スーパーブレイントレーニング(SBT)」に基づいてお話させていただきます。というのも、単なるメンタルトレーニングは、試合で緊張せずに臨む方法とか、イメージトレーニングの方法など、試合で勝つための方法に終始してしまいます。「スーパーブレイントレーニング(SBT)」は試合で能力を発揮することはもちろんのこと、人間的な成長をも可能にする脳力開発手法なのです。
ポイントは、子どもたちがそれぞれ持っている限界の枠をはずしてあげることです。「自分はここまでだ」という枠にとらわれると、その中でおさまってしまうので、いろんなことができるのだよと、子どもたちに感じさせることが大事です。
ほかには、たとえば本田圭佑選手のようになりたいという子がいるとします。しかし、本田選手になりたいと言いながら家でゲームしている子もいれば、漫画を読みふけっている子もいます。つまり、本気でなりたいのなら練習が楽しいと思わないと、やっぱりやらないわけですね。
サッカーがうまくなることよりもマンガを読んでいる方が、ゲームをしている方が楽しいわけですから。子どもたちが練習を楽しいと感じて取り組むことで、ますます技術も向上していきます。指導者は普段のサッカーの練習が「すごく楽しい」という方向にもっていなければならないのです。
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