風間流“蹴る”の定義。「個人の感覚で決まる」

2017年10月25日

コラム

“キック”には正解がない。ボールの”蹴り方”と置く場所”の感覚を認識することが重要

 キックに関しては、ある意味正解がないのだ。ある程度のセオリーはあっても、ボールからどのぐらいの距離に立ち足を置くのか、そこからどう体を使って蹴り出すのかは個人差が大きい。つまり感覚による。ただ、感覚を感覚のまま放置するのではなく、こうやって蹴る、そのためにボールをここに置く、それをはっきりと認識しておくことが重要だ。 

「例えば、シュート練習で1本上手く蹴れたときに、それを自分の認識と符号できる。そうすると再現できるようになる」
 
 感覚だけなら偶然で終わってしまうかもしれないが、それを必然として手の内に入れることができる。ともかく、止める場所は蹴るための場所ということになる。

「ボールのどこを足のどの部分で蹴るか。そしてボールに力が伝わるフォーム。この2つがポイントになります。体の使い方は上体をまず開いて、それを一気に縮める。その力を足へ集約させていく。上体を使うというと、蹴る動作が遅くなるように思うかもしれませんが、上体を使う作業にそんなに時間はかかりません」
 
 風間さんがドイツでプレーしているときに、ドイツ人選手の蹴り方を見て気づいたのだそうだ。

「ドイツの選手たちは上体を大きく使って蹴っていましたけど、作業が速いので決して遅くはなかった。自分のフォームを持っている人はキックが崩れないし、そういう選手のキックはさほど力が入っていなくて、力んでいないのに強いボールを蹴る。まずはボールの芯を覚えること、それができればあとはずらしていけばいい。親指、中指などボールを捉える感覚をつかんでいくわけですが、変えるにしてもまずは芯がないとね」

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