「子どもがサッカーを楽しむ」ことの真の価値とは
2017年12月13日
コラムボールタッチ数の増加も楽しみを増やす一つの手段
プライベートでも、私が関わったあるクラブの子どもたちの練習を見に行きます。
彼らは、グラウンドで私の姿を見つけると、「ミゲルー!」と名前を呼びながら抱きついてきます。たったこれだけでも、「日本の子どもたちにはスキンシップをはかる習慣がなかっただけだ」ということがわかります。私はスペイン人だし、全く抵抗がありませんので、きっと子どもたちもスキンシップをはかることに壁がないのだと思います。彼らに大人のような既成概念はなく、子どもは子どもであり、一人の人間なのです。自国の文化をリスペクトしつつ、日本の指導者たちもその方法を探ったらいいのではないでしょうか。
練習中、指導者がよく外から見ているシーンを見かけます。私はその壁すらも積極的に取り払ってほしいと願っています。練習後に、子どもたちが元気に遊んでいると「疲れるぐらい練習しろ」と言っていますが、「指導者自身も練習後に心と体が疲れているか」が質の高い指導の一つの指針になるのではないでしょうか。先日たまたま練習見学をしたチームは、指導者が外から大声を出していました。
なぜ同じピッチに立ち、子どもの輪に入って共に動き、指導を行わないのでしょうか?
私たち指導者が子どもたちに証明できるのは練習に対する自信であり、だからこそ彼らと深い信頼関係が築けるのです。大げさなスキンシップをはかる必要はありませんが、子どもたちの心に入り込み、信頼を築けるかは重要です。だから、指導者と選手という立場は関係ありません。指導者は金を探して磨くことが仕事(※魔法1参照)だから自らも能動的に働かなければなりません。
そこに上下関係は存在せず、目線を合わせて教えていくことが、特にジュニア年代の子どもたちの長所や個性を伸ばすことにつながります。彼らと同じ目線の高さに立つことで、子どもたちも「この人の言っていることは正しい」と聞く耳を持つようになります。先ほども述べましたが、そのようなことは決して日本人が思う規律に反しているわけではありません。
スキンシップ、子どもの目線に合わせる、心の輪に入る。
指導者も子どもたちと共に汗を流し、練習後は頭も体もクタクタになる。
私たちが先陣を切って走らないと、子どもは歩むべき道がわかりません。成長することに子どもだからとか、大人だからとか、は関係ありません。私はいつも練習中に飴をなめないと声がつぶれてしまうぐらい子どもたちに言葉を投げかけています。あるクラブでは、積極的にフットサルを取り入れてサッカーの指導を行っています。
なぜなら「モチベーションを高める」というメリットがあるからです。大きな理由の一つに、フットサルはサッカーに比べて1分間に6倍も多くボールに触れられることが挙げられます。実際に「ボールに触れる回数が増えるほどモチベーションが高まる」という研究結果もあります。サッカーがうまくなる上では、ボールのタッチ数が子どもたちの心理に大きく左右します。フットサルはスペースが狭いから局面の反復回数が多いですし、同時に戦術的なアクションが増えるから試合に生きるプレーの経験値も高まります。
このことは現代サッカーと深くかかわっています。昨今は『攻撃から守備』、『守備から攻撃』の移行速度がどんどん早くなっています。これはフットサルというスポーツの特性がそのままリンクしています。自陣でも敵陣でも常に攻守両面を意識してプレーしなければいけませんから、それはもうフットサルのDNAともいえるでしょう。
さらに、フットサルは技術も戦術もサッカーより細かい特徴があります。相手の利き足を見抜き、どちらの足でボールを扱うのかを予測するから「攻撃を遅らせる」「ボールを奪う」というサッカーの守備にも応用できます。細かいポジションに応じて構えるスタンスも変わるから、対戦相手の動きなどの細かく読み取るマインドが習慣化します。
だから、フットサルの細かいスキルをそのままサッカーに持ち込めば必ず得をするはずです。と同時に、選手と同じように指導者にとっても大きな学びとなります。主にジュニア年代に限ったことですが、冒頭で話をしたとおり、プレーしながら学べることはフットサルの方が多いですし、ボールタッチ数が増えるのであれば子どもたちもより楽しめるはずなのです。
【連載】ミゲル・ロドリゴが教えてくれた「才能を引き出す」11の魔法
<プロフィール>
ミゲル・ロドリゴ
1970年生まれ。スペイン・ヴァレンシア出身。イタリアのルパレンセ・パドヴァやロシアのディナモ・モスクワ、スペインのカハ・セゴビアなどで指揮を執った経歴を持つ。2009年6月〜2016年2月までフットサル日本代表監督を務め、その後、フットサルタイ代表監督に就任し、現在はフットサルベトナム代表監督として手腕を振るう。FIFAインストラクター、スペインサッカー協会フットサル指導者資格を保持。
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