夢を叶えるために選んだ越境。FC東京U-15深川・安田虎士朗選手の挑戦/ジュニアユースプレーヤー成長記
2018年01月23日
コラム自身の特徴をアピールできたジュニアユース年代の全国大会
あれから2年の歳月が流れた。FC東京U-15深川に入団した安田選手は、中学2年生ながら「高円宮杯 第29回全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会」の決勝に左サイドハーフとして先発で起用された。
FC東京U-15深川は、試合開始2分で先制されたが、前半の終了間際になって、相手ゴールキックを捉えた安田選手から笹沼選手へと渡ったボールを青木友佑選手が鳥栖のゴールへと沈めて同点とした。後半はスコアレスのままで終えはしたが、延長後半には常盤選手のヘディングシュートが決まった。
ここまで幾度となく力強いドリブルで駆け上がっては存在感を示していた安田選手は、チームが逆転に成功したのを見届ける形でピッチを後にした。交代は99分のことだった。残り時間は1分とわずかなアディショナルタイムだけが残っていた。優勝へのカウントダウンが始まろうとしていた。
だが、FC東京U-15深川はリードを守り切ることはできなかった。ペナルティエリア内で与えてしまった間接フリーキックがきっかけとなって同点弾を打ち込まれてしまう。優勝の行方が委ねられたのはPK戦。制したのはサガン鳥栖U-15だった。
敗戦を受けて、西が丘のミックスゾーンに現れた安田選手は、いうまでもなく硬い表情をしていた。それでも一つひとつの質問に対して丁寧に答えてくれた。
決勝のキックオフ前、日本一のタイトルを目指す舞台に臨むことへの緊張はあったが、ピッチに足を踏み入れる前に一度目を閉じることで気持ちを整理することができたのだと教えてくれた。
自身のプレースタイルを訊ねると「リズムの作れる選手」だと評した。準決勝の大宮アルディージャジュニアユース戦での先制点のシーンを振り返ってみるとよくわかる。
センターバックからの縦パスを受けた安田選手は、センターライン付近で笹沼選手との素早いワンツーパスによって左サイドのスペースに球を持ちだすと、2枚のディフェンスを縦方向に引き付けてから中に切れ込み、相手最終ラインの裏へと球を通した。これに反応した青木選手がペナルティエリアの中でパスを受けると、折り返した球をファーサイドから飛び込んできた安斎颯馬選手がゴールに押し込んだものだ。
安田選手は広い視野で周囲の状況を的確に判断し、球離れを良くするところとタメを作るところを見極めて攻撃のリズムを作っていた。
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