「どうサッカーを捉え、指導に落とし込むか」。湘南ベルマーレが体現する“ボールを奪う意識”【短期連載】
2018年03月07日
コラム素早い攻撃のスキルを磨くには「奪う」が必要不可欠!
――ボールの持ち方、寄せられたときの体の向きなど細かいスキルが他の日本のチームよりも身についていると思いました。
浮嶋「そこは普段から一人ひとりが『ボールを奪いに行く』ことを当たり前のようにしているから、攻撃面での課題があると自然にプレーがうまくいかなくなります。だから、選手自身が気づくんです。『止め方が悪い。マークとの距離感をはからずに止めてしまった』など。きっとリトリートばかりして距離を置いてディフェンスをする環境の中では身につけられないものです」
――確かに、『奪う』と『組み立てる』は関わりあったものだから、練習の中にはどちらの要素も入れる必要がありますし、指導者もそういう声かけをしなければなりません。この大会に出場し、どんな課題を感じたのでしょうか?
浮嶋「私たちのチームは一人がプレスに行けば、2人目、3人目、また逆サイドも守備を意識しています。つまり、全員がボールを奪うために動くという意識があります。
だけど、バルセロナは縦パスが入ったとき、同時に3人目、4人目、5人目がすぐに動き出しています。攻撃面においてあのように受け手と出し手の選手以外に関わりを持ったプレーができていたことに驚きましたし、非常に勉強になりました。『ジュニア年代で、あれだけのレベルのサッカーができるんだ』と。
選手たちは攻撃面でも個の力を伸ばす必要がありますし、もっと人が関わった中での攻撃、具体的には3人目、4人目、5人目が絡む攻撃はジュニア年代でもできることがわかったので、課題にしたいです。」
――攻から守はできてきているけど、守から攻の部分が課題だということですね?
浮嶋「そうです。守備から攻撃のときに『前に入れるのか』『スペースに運ぶのか』『後ろに下げるのか』という選択がバルサの子たちはできていました。ここに差がありましたし、攻撃から守備の部分についても湘南の子たちはボールに寄せる切り替えの早さはありましたが、やはり判断の質が高いバルサに対してはボールを奪いに行っても逃げられますし、簡単にいなされてしまうシーンが多く見られました。ですから、選手たちは相当走らされてしまいました」
――湘南の選手たちは後半から足が止まっていました。攻撃はどうしても守備を考えながらやったりもするので、そこで効率性を求めてしまったりもします。あえて立ち止まったりなど、個人で工夫やアイディアが必要ですが、日本には全体的にそういう部分に対する意識や考えは希薄なのかなと思います。
浮嶋「この年代は『自分で考える習慣』を身につけなければなりません。『人との関わり合いを持ちながら攻撃も守備もやる』なかで個人の工夫やアイデアが持てるように育てることが将来につながります。私たちも、そこを一番に考え、突き詰めているところです。
やはり、トレーニングではオン(・ザ・ボール)の部分が中心にはなりますが、必ずオフ(・ザ・ボール)の関わりを指導しています。攻撃のトレーニングであれば攻撃と守備への切り替え、守備であれば守備と攻撃への切り替えの両方を意識する要素を加えた練習をやらなければならないと思っています」
<関連リンク>
・U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2017
>>第2回のテーマ「バルセロナとの戦いで、自分たちの課題をどう見たのか」来週更新予定!!
>>ジュニサカ公式facebookはこちら
>>ジュニサカ公式Twitterはこちら
>>ジュニサカ公式Instagramはこちら
>>ジュニサカ公式Youtubeチャンネルはこちら
>>ジュニサカオンラインショップはこちら
カテゴリ別新着記事
ニュース
-
【FIFA U-20ワールドカップチリ2025】U-20日本代表メンバー発表。石井久継や高岡伶颯らが選出!2025.09.17
-
U-17日本代表メンバー発表!【国際ユースサッカーin新潟】2025.09.08
-
U-16日本女子代表候補、国内トレーニングキャンプメンバーを発表!2025.09.08
-
フットサル日本代表メンバー発表!【AFCフットサルアジアカップインドネシア2026予選】2025.09.05
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.05.21
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.05.21
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.05.21
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.05.21
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.05.21
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- “いい選手”は「2つのラインの交点に立つ」。ポジショニングに必要な「ボールなしペアリング」とは?
- U-17日本代表メンバー発表!【国際ユースサッカーin新潟】
- 【FIFA U-20ワールドカップチリ2025】U-20日本代表メンバー発表。石井久継や高岡伶颯らが選出!
- 町クラブから選抜された選手たちがスペインで武者修行!バレンシアやビジャレアルなどと対戦
- U-16日本女子代表候補、国内トレーニングキャンプメンバーを発表!
- 縦割りの練習、危なくない?
- キッズ年代から取り入れたい! バランス感覚と判断力を伸ばす効果的トレーニング術【前編】
- 【第39回全日本少年サッカー大会】決勝大会 ジュニサカ取材日記②「地元で“全少”初開催! 鹿児島県代表・飛松FCの挑戦!!」
- 東京都伝統の『TOMAS CUP』で輝いた5人の選手たち!/ジュニサカMIP
- 指導者たちに聞く!現代の環境の中で求められる指導法とは/座談会企画<後編>