反復練習に時間を費やす必要はない。 戦術理解を養う「止める・蹴る」の指導法とは

2018年06月23日

サッカー練習メニュー

KAZAN, RUSSIA - JUNE 20: Andres Iniesta (6) of Spain in action during the 2018 FIFA World Cup Russia Group B match between Iran and Spain at the Kazan Arena Stadium in Kazan, Russia on June, 20, 2018.  (Photo by Sebnem Coskun/Anadolu Agency/Getty Images)

2人、3人組の関係性を作る練習に時間をかける

 スペインと言うと、日本では根強く「イニエスタやシャビのような〝止める・蹴る〟がうまい選手が中盤に多い」というイメージが浸透しています。確かにボール操作という点で見れば今の世界トップレベルのサッカーにおいてはGKも含めてどのポジションの選手にも一定レベルの操作技術は求められます。
 
 それに、私が今担当しているスペインのユース年代(1、2部)でも、「止める・蹴るの最低限のボール扱いはある程度自由自在にできて当然」という前提に立って指導しています。近年はGKのフィード能力によってビルドアップのオプションがかなり変わってきていいます。
 
 イニエスタ、シャビ、シルバ、イスコといったスペイン代表で活躍する中盤のテクニカルな選手のみならず、FCバルセロナのドイツ代表GKテア・ シュテーゲン、マンチェスター・シティのブラジル代表GKエデウソンのように〝止める・蹴る〟の技術がフィールドの選手と同等かそれ以上のレベルのGKが出始めています。現代サッカーでは全選手が高いレベルのボール操作、技術を求められますので、私が指導しているチームではボールポゼッションの練習もGK含めて全員で行いますし、スペインでは中盤の選手のみが技術的にうまいわけではなくなっています。
 
 私自身、数年前から反復練習の重要性を再認識しています。反復練習を行うことで実戦、ゲームで使える道具が確実に精度高く増えていきます。
 
 ただし、私がユース年代で反復練習を行う技術は個人技術ではなくユニット、グループとしての技術です。ある 意味で、〝止める・蹴る〟の技術があることを前提として、「相手が何を考えているのか」、「どういう対応をしているのか」を認知し、それに対してリアクションする形でその状況を解決するためのパターンを習得していきます。
 
 実際、高校生相手にプレシーズンでは2人組の壁パス、コンビネーションの反復練習を導入していますが、そこでの2人組は同サイドのサイドバックとサイドハーフという形でシーズンに入った時に実際コンビを組むことになる2人をこちらで選んでいます。サッカーですので状況は目まぐるしく変わるのですが、変化する状況にあっても解決できるパターンを出せるための2人、3人組の関係性を作るような反復練習に時間をかけているのです。
 
 そうした反復練習をやり始めた時には型を作る目的でやっていましたが、今はその型自体にもバリエーションがあり、シチュエーションに応じて最適なパターンを選べるような反復練習にまで発展させています。

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