反復練習に時間を費やす必要はない。 戦術理解を養う「止める・蹴る」の指導法とは
2018年06月23日
サッカー練習メニューシチュエーションを明確にしたトレーニングメニュー
①「相手ゴール前ゾーン3」の「真ん中エリア」という状況が背景にある2対1(攻撃が数的優位)の設定
攻撃の2人は「フィニッシュ」がアクションの戦術意図となり、そのために幅と深さをとるポジションを取る、ドリブルで引きつける、シュートを打ちやすいコントロール・オリエンタード(方向付けされたコントロール)、というような戦術/テクニックアクションを駆使してプレーすることになる。バリエーションと して、ゾーン3では時間をかけて攻撃をすることはできない傾向(コンテクストの1つ)があるので「○秒以内にフィニッシュを行わなければならない」というルールを加え、より試合に近い状況下へと近づけることもできる。
【プレー方法】
・攻撃2人、守備1人+GKでおこなう。攻撃チームは相手守備者を超えて、ゴールへシュートを決める
・戦術アクションとして深さを幅、マークを外す動きがありコントロールとパスのキーファクターは以下となる
【コントロールのキーファクター】
・シュートを素早く打てるスペースにボールをコントロールする
・相手に触られないところにコントロールする(必要であれば体を使いプロテクトする)
・シュートが打てないのであれば、ボールをキープできるところへコントロールする
【パスのキーファクター】
・十分に相手を引きつけてからパスをする
・味方が1タッチでシュートを打てるような強さと方向へパスを出す(基本的には相手を超えるパス)
②自陣エリアであるゾーン1の真ん中のエリアの状況下での2対1(攻撃が数的優位)の設定
攻撃の戦術意図は「ボール保持」と「前進」。幅と深さを取る、ドリブルで相手を引きつける、パスで相手を超える、コントロール・オリエンタードで相手を超える、などが挙げられる。
【プレー方法】
・攻撃2人、守備1人(+GKもつけても良い)で行う
・攻撃チームは2つのミニゴールにドリブルでボールを運べば1点。守備者はボールを奪い、ゴールへシュートを決める
【コントロールのキーファクター】
・自分の前方にスペースがある時はコントロールで前に出る
・相手が前方にいるのであれば、失わないようコントロールする
【パスのキーファクター】
・味方がファーストタッチで前進できるようなパスを出す
ポイント
全てのアクションは戦術意図に基づき行われる。起こりうる状況は自分がプレッシャを受けているか、いないか?の2種類で、それに応じて自らのプレーを選択する。
坪井健太郎(つぼい けんたろう) CEエウロパユース第二監督
1982年、静岡県生まれ。静岡学園卒業後、指導者の道へ進む。安芸FCや清水エスパルスの普及部で指導経験を積み、2008年にスペインへ渡る。バルセロナのCEエウロパやUEコルネジャで育成年代のカテゴリーでコーチを務め、2012年には『PreSoccerTeam』を創設し、マネージャーとしてグローバルなサッカー指導 者の育成を目的にバルセロナへのサッカー指導者留学プログラムを展開中。また、森亮太氏と共著で『誰にでもわかる サッカー説明書 ~スペインサッカーを日本語に具現化~』を電子書籍出版。著書に『サッカーの新しい教科書』、『サッカー 新しい守備の教科書』(小社刊)がある。
【商品名】サッカー新しい攻撃の教科書
【価格】1,728円(税込)
【著者】坪井健太郎
【構成】小澤一郎
戦術大国スペインから学ぶ“攻撃”の最新メソッド
「カウンターアタック」と「組織的攻撃」
2つの攻撃戦術を正確に理解する!!
スペインで体系化された理論をもとに、現地スペインで指導をする坪井健太郎氏が、原理原則からトレーニングの応用方法までわかりやすく解説。多様化した戦術を構成する攻撃の原理原則を深く知ることが、日本サッカーを大きく変える!
【商品名】『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.49』
【価格】1,320円(税込)
A5判/176ページ
2018年6月6日発売
◆特集 『止める・蹴る』の基本
◆W杯直前 ジュニサカプレゼント祭り
◆「僕らがサッカーボーイズだった頃~Jリーガーのジュニア時代~」
都倉賢(北海道コンサドーレ札幌)
長澤和輝(浦和レッズ)
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