GKの最悪のミスは「迷って結局何もしないこと」。日本人に必要な”アタックの意識”
2018年08月10日
コラム
※写真はイメージ。選手及びチームは記事の内容と関係ありません
日本のGKはボールを捕りに行くイメージで、回り込んでしまう
なぜ、日本のGKは点で捕りに行くイメージで、回り込んでしまうGKが多いのか? それは身体のぶつけ方を知らない、ぶつける練習をしないからです。私が日本で高校生のGKを指導したとき、GK同士で上げたボールに対して競り合わせ、選手同士を思いっきりぶつからせましたが、日本でそういう練習をあまりしたことがなかったので、最初は驚かれました。
日本では、「怪我をしてしまうから」ということで、このような練習をあまりしてこなかったのですが、これはゲーム中も必要なプレーなので、練習でやらなければ試合でもできません。身体をぶつける練習はとても大事です。
欧州で発売されているトレーニング道具に、ビニール人形のマネキンに取っ手が付いた道具があります。選手にクロスを蹴らせ、GKコーチは人形を手に持ってGKにぶつかりに行く。そうするとGKは、こうやってぶつかれば相手の上に少し乗れる、この部分で当たればバランスを崩さずにボールにアタックできると、感覚をつかめます。日本では「ぶつかると身体のバランスが崩れてしまう」というイメージが強いと感じますが、そうではなく、身体のバランスを崩さずにぶつける感覚がわかるように、練習をしなければいけないということです。
また、相手にぶつかりながらアタックするときは、パンチングを推奨しています。キャッチできれば理想的ですが、相手を意識しながらキャッチに行く状況は、いちばんミスが起こりやすい。もし、そこでミスが起きると、GKは出る判断を避けるようになります。これはプロも一緒です。そうやって消極的になってしまうくらいなら、割り切ってパンチングすればいい。まったく問題ありません。
はじく方向はゴール前を避けたサイドへはじくのが理想ですが、それが出来なくても、まずはボールに触りに行くこと。強くアタックして、ぶつかりながら大きくはじけばいい。
そこで距離を稼ぎ、すぐに戻ってゴールディフェンスに切り替える。新しいシチュエーションとして考え、そのリカバーを早くすればいいわけです。そして、クロスに対して直線的に出る感覚が身に着いてきたなら、ボールをはじく方向にもこだわる。そこの順序を間違えてはいけません。
もし、大きくはじいたボールを、相手にダイレクトでロングシュートを決められたら、相手に拍手しましょう。危ないところにボールをこぼすのが怖いから行かない、というのはダメです。まずはシュートを打たれる前に、早く触ることが大事。大きくはじけなくても、クロスのコースを変えるとか、コーナーキックに逃れてもいい。状況を見て、出ないと判断するのはOKですが、恐れて行かないのはダメです。
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