「練習メニューの継ぎ接ぎ」では選手に伝わらない。トレーニングはどう構成すべきか?【10・11月特集】

2018年11月28日

サッカー練習メニュー

10月・11月の特集のテーマは「ジュニア年代の練習はどう組み立てる」だ。情報入手が手軽になった現代、インターネットや本を参考にして、練習メニューを構成している指導者も多いだろう。だが、練習の意図を理解せずメニューの形だけを真似するだけでは、本末転倒である。今回はUEFA公認プロコーチライセンス(JFA 公認S級コーチ相当)を保持し、SVホルン(オーストリア)などで監督を務めた濱吉正則氏にトレーニングをオーガナイズする方法について語ってもらった。

【10月・11月特集】「トレーニングをデザインする

取材・文●木之下潤 写真●ジュニサカ編集部、Getty Images


MADRID, SPAIN - JANUARY 05:  Newly appointed manager of Real Madrid Zinedine Zidane (R) talks tactics during a Real Madrid training session at Valdebebas training ground on January 5, 2016 in Madrid, Spain.  (Photo by Gonzalo Arroyo Moreno/Getty Images)

まずは指導者がトレーニングの原則を知ることが大事

――本日開催されたセミナーのテーマ「プレーモデル・プレー原則に従ったトレーニング理論」は非常に興味深かったです。その中でも、すべての練習メニューがプレーモデルからの逆算であること、そして、それぞれにテーマに通じる戦術的ポイントが入っていることが大事だという話は、今回の特集テーマである「トレーニングデザイン」にも重なる部分かと感じています。

濱吉「今日はプレーモデルに応じたトレーニングをテーマにしましたが、これは最近よく耳にする『戦術的ピリオダイゼーション』の考え方とかぶっている部分があります。私は今でもヨーロッパの様々なサッカー書物を読んでいますし、現地の指導者とも連絡を取り合っているので指導におけるベーシックな部分は重なる部分もあるのかな、と。でも、オーストリアで監督をした経験などを含めて言葉にしているので、少しは現場のこととして伝わったのではないでしょうか」

――日本の指導者は1日のトレーニングの構成が「ウォーミングアップ→技術的なトレーニング→メイントレーニング→ミニゲーム」となっているとすると、プレーモデルにつながる戦術的な落とし込みをどう行っているのかを知りたいと思います。

濱吉「指導者の皆さんも、一つひとつの要素はわかっていらっしゃいます。例えば、ドリブル、ターン、ヘディング、パスと…。問題は、どうつなげていくかです。それぞれをつなぎ合わせて『ゲームの中でどう発揮させるか』というのが一般的に言われるサッカーのゲームインテリジェンスです。つまり、判断に関わる部分です。

 私も静岡で2年間サッカースクールを開いた経験があります。初めてジュニアを対象に指導したのですが、試行錯誤していく中で週1回の練習でもプレーモデルが作っていけるなと実感し、どう指導すればいいのかを確立できたところもあります。

 例えば、スクールチームとして実際に試合してみるとクラブのように一つのチームとしてプレーできたと感じました。隣のクラブの子たち同士でも共通認識はしっかりありましたし、ボール扱いの苦手な子でも普通に縦パスをズバッと入れられたりして、そういうプレーができるんだと思いました。

 そのスクールでの経験が『日本の子どもたちに対し、サッカーをどのように体系化して教えていくかなければならないのか』の学びの大きな部分です」

――実際に、日本の指導者たちにどう説明したら伝わりますか?

濱吉「まず、単純にトレーニングの原則があると思います。どうしたら待たずにいいトレーニングができるか。一つのグループは何人が適切なのか、しっかり区切りをつけることが大切です。他にも、技術トレーニングだったらドリル形式にするなら形は三角形、四角形、ひし形、Y の字などバリエーションはいくつもつけられます。

 その中で、こういう設定にすればこういうふうに動きが制限されるからそれがうまくサッカーにリンクする。そうやって一度立ち止まり、その練習メニューがゲームにつながるかを考えることが重要です。ポゼッションなら形は縦長や横長、条件としてフリーマンをグリッド内に置く形や外に置く形など様々なアイディアを出すことが可能です。

 大事なことはオーガナイズが成り立つものをしっかりと設定できるようにすること。チームが目指すサッカーの中から何のテーマを選び、それに対してどんな原則を覚えたいのか。指導者は、まず目指すサッカーにつながるテーマを選ぶ作業が第一歩になります」

――先ほどサッカースクールでもプレーモデルを作れたとのことでした。異なるクラブの選手たちが集まるのに、どうやってプレーモデルを構築して行ったのかは日本の町クラブにとって参考になる部分が多いと思います。例えば、判断に重点を置いたトレーニングをしていたということでしょうか?

濱吉「当時の選手たちにとっては難しくて複雑なトレーニングに感じたと思います。指導指針を言葉で説明すると、インテリジェンス、テクニック、コミュニケーション、メンタリティの4つです。

1.インテリジェンス=サッカーで必要な知性を磨く
2.テクニック=ゲームで必要な実践的技術を習得する
3.コミュニケーション=共通理解を持ってプレーする習慣を身につける
4.メンタリティ=リスクを恐れずプレーする心を持つ」

濱吉氏
【SVホルン(オーストリア)を率いた経験を持つ濱吉正則氏。現在は九州産業大学サッカー部の監督を務める】

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