「サッカーをするためだけに大学に行って欲しくない」と両親に言われた。エリートコースを歩んだ若きなでしこの“アメリカ”という選択【1月特集】
2019年02月01日
コラム1月の特集のテーマは「女子サッカーを見つめる」である。女子サッカーは男子とは異なった問題を数多く抱えている。だが、サッカー界に携わるほとんどの人がその実態を知らない。育成環境を整えていくためにも、まずは現実を見つめていかなくてはならない。今回は、オクラホマ大学に所属する黒崎優香選手にインタビュー。世代別の日本代表にも選ばれ、藤枝順心高校では全国制覇を果たすなど、国内で輝かしい成績を誇った黒崎選手が、アメリカでのプレーを選んだ理由などを聞いた。
※このインタビューは2018年12月中旬に実施されたものです
取材・文・写真●木之下潤 写真●Getty Images、中澤捺生
【前回】競技人口が少ない。チームの消滅。女子サッカー界の現実から見えた課題
アメリカでプレーする黒崎選手の経歴は?
「女子サッカーを特集したい」。
そう提案し、ジュニサカWEB編集長の高橋大地氏にOKをもらってから「どんな内容にしようか」と思案した。そもそも女子サッカーの知識が足りない。だから、1月は「問題提起」というこれまでの特集企画の在り方を「ユーザーと一緒に学ぶ」というコンセプトに切り替え、読み手と共に女子サッカーの知識を増やそうと思った。
はじめは「なでしこリーグでプレーしている選手」の取材も考えたが、学ぶより「紹介」が強く出てしまう。雑誌媒体の手法としてよくあるのは、憧れるような選手を誌面に出すこと。これは版元として主に販促を狙うための人選だが、この女子サッカー特集は無料サイトの特性を生かし、どれだけ幅広いユーザーに企画を認知してもらい読んでもらうかが狙いだ。
ジュニア年代は2015年度に男子と女子が4種として統合され、この年代のサッカー関係者は必然的に女子選手にたずさわることになった。だから、憧れの選手という知名度を活用した拡散ではなく、この特集記事がきちんとした情報として知識になり、役に立たなければ意味がない。
そこでひらめいたのが、アメリカの大学でプレーしている黒崎優香選手のことだった。
彼女と知り合った、いや、つながったのはFacebookがキッカケだった。友達申請が届いた時点では名前を知らなかったのでGoogle検索してみると、高校までは国内でのエリートコースを歩んでいたサッカー選手だった。
「どうしてアメリカでプレーしているんだろう?」
これが率直な感想だった。「彼女ほどの選手なら強豪大学の推薦だって受けられるだろうし、なでしこリーグでプレーすることだって難しいことではないはず。むしろ、いい条件で複数のオファーがあるだろうに」。その時、そのような進路イメージが連なったので強く印象に残っていた。
それにシンプルに黒崎選手のアメリカでのプレーを情報として捉えると、日本のスポーツ界にとっても有益になると感じた。だから、すぐFacebookのメッセンジャーを通じて取材依頼をした。すると、翌日に返事があり、その時点では「帰国するかが未定」とのことだった。いずれにしろ今の時代、インターネットを使えば世界中で話をすることが可能だが、彼女の持つ選手としての雰囲気、また人間味のようなものは取材時にしかわからない重要な情報なので、年末ギリギリまで取材方法の返事を待ち、渋谷での直接の取材が実現した。
最初に、予備知識として彼女の日本でのキャリアを紹介をしておく。
福岡県北九州市出身の21歳。兄の影響でボールを蹴り始め、4歳の頃からサッカーチームでのプレーをスタートした。小学生の頃は地元のクラブ「神理FC」に所属し、男子の中に混ざってプレー。中学に上がるタイミングで「強いチームでプレーしたい」と、地元クラブの「ニューウェーブ北九州レディース」に入団し、それを足がかりに中学時代は福岡県選抜や九州選抜、さらにはナショナルトレセンにも選ばれて頭角を表す。
卒業後は生まれ育った福岡を離れ、全国でも強豪の藤枝順心高校に進学する。1年生からメンバー入りし、2013年には現なでしこジャパン監督の高倉麻子氏のもと、U16日本代表に選出されてコスタリカ遠征を経験。そこで世界を肌で感じる。そして、高校最後の全日本高等学校女子サッカー選手権大会で優勝を果たした後、アメリカに渡った。
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