やればやるほどうまくなるのか? つらい経験をすればするほど強くなるのか? そこに本人の意志はあるのか【サッカー外から学ぶ】
2019年07月04日
育成/環境『絵はすぐに上手くならない デッサン・トレーニングの思考法』の著者でデッサンスクール『トライトーン・アートラボ』でプロ向け指導も行う成冨ミヲリさんに「才能とセンス」、「上達のプロセス」について聞いてきた「サッカーを“サッカー外”から学ぶ重要性」の連載も4回目の今回で最終回。最後は、やはり、「才能」を伸ばすために指導者は子どもたちにどう関わっていけばいいのか? 成長のサポートをするために何を理解しておく必要があるのかという核心部に切り込んでいきたい。
文●大塚一樹 写真●ジュニサカ編集部
【第3回】「見る力」を養う。まず“見えて”いなければ努力をしても意味がない【サッカー外から学ぶ】
一つの道を究める美徳の弊害
「指導者は選手の未来に触れている」
UEFAの技術委員長だったアンディ・ロクスブルクさんのこの言葉を何度原稿で引用させてもらったかわからない。この言葉を育成年代に当てはめて考えると、「現在」がいかに大切か……。いつも身が引き締まる思いになる。
未来は誰にもわからない。しかし、コーチとして子どもたちと関わっているとき、その瞬間は確実にその子の未来に触れていることになるのだ。
小学校のうちは基本技術が重要だからドリル中心で! いやヨーロッパに追いつくためには組織サッカーを! 南米のように突出した個を生み出すためにはドリブルだけに特化する! 世界中で盛んに行われているサッカーは、「サッカー」という言葉でくくり切れないほどさまざまな形が存在する。成冨さんにそのあたりの事情を説明したうえで、「成長のためのさまざまな要素がある中で才能を伸ばすためにはどんなことが必要なのか?」という質問をぶつけた。
「絵というより現代アート界の話になりますが、海外では絵も描いて立体造形や彫刻など色々なことをやるほうがプラスに働きます。でも、日本は陶芸をやるとなったら山奥にこもって陶芸作品だけを作って、魅力のない作品は片っ端から割るというイメージですね(笑)。こういう価値観が、日本全体、どのジャンルでも見られるのかなと思います」
一つの道を究める美徳は、たしかに存在する。スポーツに関しても、サッカーをやる子はボールを投げられないし、指導者や親たちの間にも「できるだけ早い段階で一つの競技に集中したほうが将来的に大成する」というスポーツにおける“3歳児神話”のようなものが蔓延している。
「でも、それは日本の常識、世界の非常識で、一つのことだけをやるというのは危ないですよね。漫画家になりたいから漫画だけ描いて、表現に行き詰まることもある。まったく描き方が違うグラフィックや油絵などを経験していたほうがいい。逆もまたしかりです」
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