ベルギーはどのようにして強豪国になったのか。小国が行なった育成改革と「外注」がもたらした例外的個性
2022年09月16日
育成/環境エデン・アザール、ケヴィン・デ・ブルイネ、ロメル・ルカクなど多くのスター選手を擁するベルギー。ヨーロッパの中でも小さい国であるベルギーはどのようにして強豪国に仲間入りしたのか。そして、多数の個性的な選手たちはどのようにして育成されたのか、20日発売の『フットボール代表プレースタイル図鑑』から一部抜粋して紹介する。
『フットボール代表プレースタイル図鑑』
文●西部謙司

「外注」で生まれた例外的個性
2000年はオランダとともにEUROの共同開催国だった。それにあたって「ビジョン2000」と銘打って育成改革を行っている。 EURO自体には間に合わずグループリーグで 敗退してしまうのだが、紆余曲折を経ながら改 革は実を結ぶことになった。
それまでの守備的な5バックシステムを改め、育成年代は[4-3-3]に統一。ゾーンディフェンスの習得やドリブル突破の強化など、育成プログラムを作成して一貫性を持たせた。ただ、フランスやドイツのケースもそうなのだが、育成改革の一番の成果は移民系選手の取り込みだろう。もともとベルギーリーグはヨーロッパの中で最も早くアフリカの選手を登用していた。ベルギーに次いだのがフランスで、ドイツやイタリアで黒人選手が台頭するのはさらにあとのことである。
ただし、フランスやドイツとは人口規模が違う。育成の整備とそれに伴う移民系の取り込みだけでは成果は限られていただろう。ベールショットはヨーロッパの小クラブにすぎないが、若手育成に定評のあるオランダのアヤックスと提携することで若い才能を開花させている。周辺諸国と提携することで、いわば育成を外注したわけだ。コートジボワールなどアフリカ諸国とは以前からつながりがあり、有望な若手を国内で育成するだけでなく、周辺国へ預けて仕上げていったのは小国らしい知恵だった。

外国で台頭した選手たちを代表として集めてみると、ベルギーは小国としては例外的な多様な個性を持ったオールスターチームになった。
黄金世代にとってカタール大会が最後のワールドカップになるだろう。前大会に続いてロベルト・マルティネス監督が指揮を執る。
GKにレアル・マドリーの守護神クルトワ。アルデルヴァイレルトとフェルトンゲンのコンビにレアンデル・デンドンケルが加わった3バックだが、フェルトンゲンが35歳、アルデル ヴァイレルトが33歳とやや高齢化は否めない。
ボランチを組むのはヴィツェルとユーリ・ティーレマンス。黄金世代後を担うティーレマンスは攻守にハイレベルだ。WBには右にティモシー・カスターニュ、トーマス・ムニエ、左にヤニック・カラスコ、トルガン・アザールと運動量とテクニックを兼ね備えた確かな選手たちが競っている。
前線の3人は黄金世代の象徴ルカク、アザール、デ・ブルイネ。この3人がいるからこその[3-4-2-1]システムでもある。
全文は『フットボール代表プレースタイル図鑑』からご覧ください。
【商品名】フットボール代表プレースタイル図鑑
【発行】株式会社カンゼン
【発売日】2022/09/20
【書籍紹介】
ワールドカップ出場国+αの35カ国が実装する[流儀][個性][こだわり]の血統書
欧州の20クラブに宿るそれぞれの哲学を解剖した『フットボールクラブ哲学図鑑』の代表版!! 今作は各代表が表現する「プレースタイル」に焦点を当て、どのようにして現在のプレースタイルに辿り着いたのか、その変遷を辿る。2022年カタール・ワールドカップに出場する32カ国+イタリア、コロンビア、ウクライナを加えた全35カ国の「流儀・個性・こだわりの血統書」がここに。
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