「運動ができる子は勉強もできる」は本当か?

2018年11月11日

コラム

「うちの子は勉強ができないから運動をやらせているんです」そんな声を耳にするとスポーツ科学の第一人者、深代千之氏(東京大学大学院・総合文化研究科・教授)は言う。運動ができる子は勉強もできるは本当なのか? 運動と勉強の相互関係を『子どもの学力と運「脳」神経を伸ばす魔法のドリル』より一部転載して紹介する。

『子どもの学力と運「脳」神経を伸ばす魔法のドリル』より一部転載

著●深代千之 写真●ジュニサカ編集部、佐藤博之


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動きのすべてを司っているのは「脳」

 運動が得意なお子さんの親御さんと話をしていると、「うちの子は勉強ができないから運動をやらせているんです」とおっしゃる方がいます。謙遜が多分に含まれているとしても、「勉強は頭を使ってやるもの」「運動は身体を使ってやるもの」と考えている人は多くいます。スポーツの練習で、「身体に覚えさせる」という表現が定着していることも、その原因かもしれません。

 しかし、身体を動かしているのは腕や脚の筋肉だけではありません。動きのすべてを司っているのは「脳」です。身体に覚えさせる、とはいっても筋肉に記憶システムはありません。覚えるのは脳であり、反復練習で運動が上達するのは、身体をどう動かせばいいのかという指令のパターンが脳に記憶されたということです。

 勉強のときもまったく同じです。教科書や本を読むときにも、脳のニューロン(神経細胞)に電気信号が通り、神経細胞の間のシナプスを通って、電気信号を伝えていきます。勉強も運動も、やればやるほど脳内にたくさんの電気信号が通り、さまざまな指令の神経パターンが形成されます。

 つまり、勉強か運動かの二者択一ではなく、脳を鍛えれば勉強も運動もできるようになるということ。どちらかしかやらなければ、電気信号の通り道が偏ってしまい、新しい知識、動きの習得は遅くなってしまうでしょう。

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