一人のサッカー少年から世界チャンピオンへのぼり詰めるまで フリースタイル・フットボーラー徳田耕太郎選手インタビュー【前編】
2013年12月24日
インタビュー見る者を魅了する、芸術的なリフティング。その美と技を競う「フリースタイル・フットボール」という競技があります。昨年、若き日本人が史上最年少でその世界の頂点に輝きました。「トクラ」のニックネームで世界的に知られている、徳田耕太郎選手(22歳)です。幼少期は、どこにでもいるような普通のサッカー少年だったという徳田選手は、どのようにして世界チャンピオンの座に上り詰めたのでしょうか。競技を楽しむ大切さや、練習への取り組み方などサッカーを楽しむ皆さんの参考にもなる話をお聞きしました。
文●平野貴也 写真●編集部
フリースタイルとの出会いが自分のサッカー人生を変える
――まず、徳田選手の幼少期の話を聞かせて下さい。フリースタイルに出会う前は、普通のサッカー少年だったのでしょうか。
小学校1年生でサッカーを始めました。当時は、ただドリブルが好きで、自分から積極的にボールを持つような子どもだったと思います。兄はチームのキャプテンをやるような上手な選手だったのですが、僕は体が細くて試合で活躍するようなタイプではありませんでした。僕は、みんなでやって、勝ったら楽しい。そういう単純な喜びを感じていました。
もちろん、サッカー選手になれたらいいなという気持ちはありましたけど、実力を考えたら無理だろうなと思っていました。だから、サッカーで人生をどうしようということは考えていなくて、サッカーをずっと楽しめたらいいなというぐらいの気持ちでした。中学でもサッカーは続けましたが、深く考えて選んだわけではなく、それが当たり前の流れだったという感じです。
――フリースタイルという競技を知ったのは、中学1年生の冬だったということですが、きっかけは?
サッカーの本を買おうと思って本屋さんへ行きました。ロナウジーニョ(アトレチコ・ミネイロ)のドリブルやフェイントを解説している本とか、ドリブルのコツを紹介している本を買おうと思っていたのですが、同じコーナーにフリースタイルの技を紹介している本がありました。紹介されている技の数は少なかったのですが、連続写真が載っていて、DVDが付いていました。目をひいたのは、東京や横浜のストリートで技を見せているイメージ映像でした。それを見て、かっこいい! と、思わず買ってしまったのがきっかけですね(笑)。直感的に、この本は買わなきゃダメだと思いました。
――その本を見て、少しずつ技を磨いたのでしょうか。
そうです。でも、僕は当時、リフティングが10~20回くらいしかできなかったので、技は見ているだけで、まずは単純なリフティングの練習をしました。100回くらいはできないといけないのだろうなと思って必死で練習をして150回くらいできるようになってから、技の練習を始めました。
リフティングの回数を伸ばすのは、1カ月くらいでできたと思います。それまでは結構高く蹴り上げていたのですが、フリースタイルで使うような小さく蹴るリフティングに変えてみました。その方が回数を重ねるには簡単だったので、どんどん上達していきました。
前日に50回まで蹴れたら、次の日は60回できるまでは帰らないとか、自分でルールを決めて練習していました。日に日に回数が増えて行って「あっ、100回できた」というような感触でした。すごく楽しかったですね。
カテゴリ別新着記事
ニュース
-
LISEMが特別選考員に! 学生寮、グラウンド完備のJFSA高等学園が特待生、準特待生を選考するセレクションを開催2025.10.03
-
U-16日本代表、ウズベキスタン遠征参加メンバー発表!2025.10.03
-
サッカー日本代表メンバー発表!三笘薫が招集外。田中碧や中村敬斗が代表復帰!2025.10.02
-
【2025ナショナルトレセンU-14中期】参加メンバー発表!2025.09.26
フットボール最新ニュース
-
日本人選手所属ザルツブルクは後半AT弾で敗戦【25日結果まとめ/欧州EL】2024.05.21
-
ベティス、マンUから完全移籍の7番が劇的同点弾【24日結果まとめ/欧州EL】2024.05.21
-
バルセロナ、マンUから加入FWの活躍で強豪撃破【18日結果まとめ/欧州CL】2024.05.21
-
昨季王者PSGが4発快勝。白星スタート【17日結果まとめ/欧州CL】2024.05.21
-
アーセナルは交代策的中で白星【16日結果まとめ/欧州CL】2024.05.21
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- 『JFAフットボールフューチャープログラム トレセン研修会U-12』2017年度の参加メンバー768名を発表【変更あり】
- 「お前なんか絶対に一流になられへん」。”努力家”本田圭佑の原点【前編】
- 運動神経は”才能”ではない!? スポーツ上達の秘訣は「脳」にあり
- ポゼッションが目的ではない。バルサメソッドの創始者が語る「ロンド(鳥かご)」の本質
- かつて“怪物”と呼ばれた少年。耳を傾けたい先人の言葉
- 「もも上げクランチ」でキック力を鍛える!/【サッカー専用】小学生のための体幹トレ
- 練習中にふざける高学年
- 清武弘嗣選手が経験した苦い全少での思い出と父の熱き教え【前編】
- 【第38回全日本少年サッカー大会】岡山県大会 決勝フォトレポート&大会結果「オオタフットボールクラブが10年ぶり3回目の優勝で、全国大会への切符を獲得!!」
- 【第23回横浜F・マリノスカップU-10大会(GROW GAME)】大会フォトギャラリー