ドイツでの再出発をはかる宇佐美貴史選手。少年時代に見せていた怪物としての片鱗
2016年06月24日
コラム本日発売の『僕らがサッカーボーイズだった頃3 日本代表への道』から、先日ドイツでの欧州再挑戦が発表された宇佐美貴史選手。そんな宇佐美選手のサッカー人生の“原点”とは? 少年時代のエピソードを一部抜粋して紹介します。
(文●元川悦子 写真●Getty Images)
『僕らがサッカーボーイズだった頃3 日本代表への道』より一部転載
「1対11くらいの徹底マークにあっても平気で相手をかわしていた」
宇佐美にとって長岡京時代の一番の思い出は、7試合連続ハットトリック達成だ。
「確か小4か5年のときに奈良県の平群町で行われた大会で、決勝まで全てハットトリックをして、決勝だけ2点取りました。合計20点以上取れて、優勝できたのはうれしかったですね。
1試合最高得点は小5のときの7点。相手は覚えてないけど、京都の太陽が丘の会場で、家長君のお父さんが見に来てくれた。ゴールのパターンは全部ドリブルからのシュートでした。『ボールを持ったらどうやってシュートまで持っていくかを考えろ』とつねに言われ続けていたから、その成果として7点取れたんじゃないかと思います」と本人は淡々とした口ぶりで自身の怪物ぶりを説明した。
小6のときは全日本少年サッカー大会出場も果たすが、長岡京SSは、優勝した横浜F・マリノスプライマリーらJリーグクラブの高い壁に阻まれてしまう。
「それも貴史は1対11と言ってもいいくらいの徹底マークにあっても平気で相手をかわしてました。その姿を見て、『ええ根性しとるわ』と胸のすく思いがしましたね」と大伴団長は心底、楽しそうに語っていた。
頭抜けた個の力を示す少年がサッカー関係者の注目を集めないはずがない。2004年時点ですでに宇佐美貴史の名は全国に知られつつあり、複数のクラブから誘いあったようだ。が、本人は身近な先輩・家長がジュニアユース・ユース時代を過ごしたガンバ行きを当たり前のように選んだ。
「家長君はガンバでU-15とかU-16の代表になっていたし、自分自身も小さい頃からのファンだった。稲本(潤一=現コンサドーレ札幌)さんたちが育成から出てきたのも知ってたし、記憶がない赤ちゃんの頃からゴール裏で親と一緒に応援してたくらいです。僕が小学生のときには(パトリック・)エムボマとかもいましたけど、選手のスパイクを見るのが好きで、誰がどこのメーカーを履いてるかチェックしてましたね」と宇佐美は熱狂的サポーターだった幼少期を述懐する。決して安くないチケットを買ってJの試合を見せてくれ、車を売ってまで少年団活動を支援してくれた両親も大好きなガンバへ行けば喜ぶ……。そんな思いもどこかにあったのかもしれない。
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