コラム

緊張を味方につけて最高のパフォーマンス 子どもの心をサポートするメンタルトレーニング

2013年04月22日

本番になるとどうしても「緊張してしまう」「マイナス思考になってしまう」「自分に自信が持てない」……そんなお子さんのお話をよく聞きます。子どもがメンタルで問題を抱えていることに気づいたとき、親やコーチはどうフォローするのがベストなのでしょうか。海外でサッカー選手として活躍した経験を持ち、現在はプロスポーツ選手をはじめ、幅広いジャンルでのメンタルトレーナーを務める森川陽太郎さんにお話をうかがいました。

取材・文●戸塚美奈 イラスト●舌霧スズメ


緊張することは悪いことじゃない


 日本では、試合前に緊張すると、「メンタルが弱い」とマイナスの評価を受けることが多いですね。でも、僕がかつてサッカー選手として過ごしたスペインでは、まったく違いました。僕が「緊張してる」と言っても「そうか、がんばろうな!」と言ってくれるだけ。緊張しているということをマイナスとは誰も思っていないんですよね。スペインの選手たちは、緊張していても悪いことととらえず、緊張感を保ったまま最高のプレーをしていて、スター選手は特にそういうことに長けていました。つまり、緊張してもしなくても、自分のプレーができる。緊張という感情を、マイナスにもプラスにも評価しないんです。

 緊張は、感情や本能を司る大脳の内側の部分(大脳辺縁系)で感情として感じています。人の感情は、人間の心の自然な反応です。突然コップを倒したら、びっくりしますよね。そのように勝手に出てくるものが感情ですから、思考でコントロールすることはできないんです。ところが、緊張という感情が出てくると、「ダメだ、緊張するな」と、理性、思考を司る脳の部分(大脳新皮質)で自分に言い聞かせてしまうことが多い。これは、脳の中で真逆のことをしようとしている、つまり、「感情と思考の不一致」が起こっていて、最も自分の力を発揮しにくい状況です。そのために緊張するといつもの力が出せなくなってしまうのです。

 多くの人は「常に前向きじゃないといけない」という固定観念があると思います。それゆえに、「緊張は悪いものだ」と刷りこまれているので、緊張してくると、「悪いものが出てきた」とばかり、感情を必死で押し殺そうとする。それが、自己否定感につながってしまい、繰り返していると、マイナスの感情が出るたびに勝手に自己否定するクセがついてしまいます。

 緊張そのものが悪いわけではありませんし、緊張したけれどうまくいった、という経験を持っている人もいるはずです。コーチや親御さんは、失敗を緊張のせいとつなげず、緊張してうまくいった場合に焦点をあてて、緊張は悪いことではないと子どもたちに伝えてあげてください。どんな感情が出てきても、マイナスに評価をしないクセをつけておけば、緊張していても自己肯定感を持ってグラウンドに立つことができると思います。

VOL44

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