成長著しいタイサッカー ジュニア年代から見るその指導法とは!?【後編】
2013年11月10日
コラム昨今、躍進を遂げるタイサッカー。タイ・プレミアリーグでは多くの日本人がプレーしており、日本との関係性も深まっている。そのタイの育成で最も大事にされていることがボールを「止める」「蹴る」といった基礎技術。後編ではタイの育成現場をさらに探るために現地のスポーツ専門学校や、リーグの様子などを紹介する。
文●鈴木康浩 写真●編集部
※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.26秋号』P47-50より転載
タイの優秀な子どもはスポーツ専門学校で英才教育
ここ数年は子どもたちを取り巻く育成の環境そのものが大きく変わってきているというタイ。そのひとつがスポーツ専門学校だという。現在タイには、エリート選手の養成を目的として設立されたスポーツ専門学校が全国に17校ある。タイ在住でタイの子どもたちにサッカーの指導をしている日本人コーチの相原ユタカさんは話す。
「タイでは多くの子どもが6歳からサッカーを始めるのですが、優秀な子どもは小学生になるときにそのスポーツ専門学校に入学できるんです。そこで子どもたちはいろいろな種目のスポーツをこなしながら高校まで生活を送ります。僕が住んでいたシラチャという街にはスポーツ専門学校があって、その学校に通う子どもはプロクラブであるチョンブリFCのアカデミーチームに所属していました。朝から夜まで毎日びっしりスポーツ浸け、サッカー浸け、という様子でした。プロクラブ側は、アカデミーで成長した選手が将来、海外へ移籍できるようにと、今からドイツやオランダにコネクションを作っていると聞きました。日本のガンバ大阪の名前も出ていましたよ。タイでは、サッカーのうまい子どもを優遇して育成するために、国が本腰を入れて育成世代の環境整備にお金をかけていますし、プロクラブも優秀な子どもを集めて育てることに力を入れていますよ」
相原さんは「そういう環境が整ってきた成果がU-12世代のレベル向上に繋がっているのではないでしょうか」と指摘する。また、タイでは以前からイングランド・プレミアリーグやスペイン・リーガの放映を盛んに行っている。タイの子どもたちは、日本の子どもたちと同じように、世界最高峰のプレーの数々を日々目に焼きつけているのだ。
U-12タイ代表監督のセンシャウワニットさんも「私自身はFCバルセロナのウェブサイトを見て研究し、メッシに憧れを抱くタイの子どもたちがバルサ流を実践できるレベルまで落として、日々のトレーニングメニューに落とし込むこともありますね」と話してくれた。
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