バスケットボールから読み解く攻撃戦術のヒント。守備ブロックを崩す“アングルチェンジ”とは

2016年09月30日

コラム

ローポストに入ったら飛び込む頭の上を越えたら飛び込む

 サイドチェンジによってゴールチャンスを生み出すためにも、まずはローポストを狙ってボールを入れる。それが相手ゴール前を攻略する鉄則になる。

「ローポストを攻めるのは上(リングより遠い方向)に相手のディフェンスがいっぱいいるからです。最初はみんな上を向いてディフェンスをしているのが、ローポストにボールが入ることでディフェンスは自分のマークマンを背中に置かないといけない身体の向きに変わります。このローポストにボールが入ったときに、オフェンスは上(リングから遠い方向)から下(リングから近い方向)へ飛び込むんです。上から飛び込む選手に対しては、相手のディフェンスの(視野外から飛び込んでくるので)注意がゆるくなって飛び込みやすくなります。これがバスケットボールのうまくいく鉄則なんです」

 サッカーでいえば、相手のペナルティエリアとゴールエリアの間くらいのエリア(これをポケットという)にボールが入ったときと同じ状況だろう。大事なのは、そのタイミングを全員で共有することだ。

「ローポストにボールが入った瞬間です。時間が経ってしまってから飛び込んでもダメです。バスケットボールは陣取り合戦なので、時間が経つとディフェンスがスペースを埋めてしまうので、それから飛び込んでも手詰まりになるだけです」
他にも鉄則があるという。

「スキップパスです(図3)。オフェンス①がボールをもらいに行ったときにタイトにディフェンスに付かれているのでパスを出せない状況があるとします。このときボールを持っている選手がオフェンス①の頭を越えてオフェンス②へパスを出したとします。これをスキップパスといいますが、オフェンス①は自分の頭をボールが越えたら下(リングの近い方向)へ飛び込むんです。オフェンス①をタイトにマークしていたディフェンスは頭上を越えるパスによってアングルが変わったとき、自分のマークを背中に置かざるを得ず、マークとボールが同時に目に入らないので守りづらくなります。この瞬間を狙って飛び込むのが鉄則です」

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オフェンス①がボールを受けようと近づいたときにタイトなマークがつくとパスを出せない。このときにオフェンス②へ頭を越えるパスが出た瞬間、オフェンス①は下(リングに近い方向)へ飛び込む。

 これは2人ではなく、3人の関係だが、サッカーでトライアングルをつくる重要性が指摘されるのと同じことだ。
ディフェンスの向きをひっくり返して背後をとろうとするのは、そもそも人は自分の背後へのターン=リバースターンをするのが苦手だからだ。

「人は毎日フロントターンで生活するのに慣れています。だから、うちのバスケットボール部の生徒たちには学校生活のなかでもリバースターンを意識させているんです。リバースターンが苦手な生徒はそれだけで身体のバランスを崩してしまうほどなので」

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