ジュニア年代の『リーグ戦化』で浮き彫りとなった地域の温度差。改めて考えたい“全少の意義”と“過密スケジュール問題”
2017年04月26日
インタビューリーグ戦化に対する地域の温度差
【昨年の全日本少年サッカー大会でベスト4に輝いた府中新町FC。都大会の決勝で対戦したシルクロードSCとは年間を通じたリーグ戦『Tリーグ(2部)』でも2度対戦。リーグ戦では府中新町が試合時間内に2勝を収めたが、都大会決勝ではPK戦までもつれこんだ(写真●ジュニサカ編集部)】
――都道府県のなかで、リーグ戦の開催における地域差というものはあるのでしょうか。
「ありますね。たとえば800を超えるチームがあるなかで、しっかりとリーグ戦を開催している東京都に代表されるところもあれば、具体名は申し上げられませんが、全少との予選が重複してしまって上手くできないところもあります。いろいろな状況が都道府県ごと、地域ごとによっても違いますので、もちろん一概に『これはダメです』と言えるものでもないと考えています。
一方で全少の予選以外にも既存のいろいろな大会があり、それらがすべて必要ないと言うつもりもまったくありません。特にジュニアの年代では招待試合などが数多くあります。僕の息子たちもある地方の大会に招かれたときに『地元のお母さんたちが作ってくれた豚汁が、温かくて本当に美味しかった』と、試合よりも思い出に残っていたようでした。
それも少年サッカーの良さだと僕は思っていますし、長く少年サッカーを応援してくださっている方々の思いに応えるためにも、招待試合のようなものも大切にしていきたい。だからこそ、リーグ戦を開催しつつ、そういったものをできる限り残していくためにも、ちょっと整理してくださいとお願いしていきたい」
――整理していく方法として、どのようなものを考えられているのでしょうか。
「以前は1日に4試合も5試合もプレーしていることがあったわけですが、果たして子どもたちにとって本当にいいのかどうか。そういうことも含めて考えていかなければいけない。サッカーをやらない月があってもいいと僕は思っているくらいなので。一方でジュニア年代の子どもたちの発育や発達に適した指導内容についても、同じく整理していく必要があります。この年代でもっと技術を高めなければいけないわけですが、ここで言う技術とは、ただ単にドリブルの技術を磨くといったことではありません。
ボールを止めて蹴る、止めて蹴るという基本的な技術を素早く繰り返せるようになるには、子どもたちにとって一番大切なゴールデンエイジ、つまり10歳から12歳の間に身につけていかないともう遅いんですよね。たとえばFC東京U‐18の久保建英選手は10歳のときにFCバルセロナのカンテラ(育成組織)に合格して、スペインへわたったわけですけれども、いま現在のプレーを見ているとドリブルが上手いだけではなく、止めて蹴るという動きが非常にしっかりしていますからね」
【バルセロナの育成組織在籍時の久保建英選手。2017年4月15日に行われた『明治安田生命J3リーグ第5節・セレッソ大阪U-23戦』ではJリーグ初ゴールを記録する確かな技術を才能をみせている。スペインなど欧州ではジュニア年代の試合は年間を通じたリーグ戦が定着している(写真●Getty Images)】
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