JFA地域統括ユースダイレクター・城福浩氏が語る“日本サッカー強化論”。技術は「身につけるだけでなく、どう使うかが大事」
2017年08月07日
コラムヨーロッパを筆頭に、日々進化をつづけるサッカー界。“世界”から取り残されないためには、A代表を強化することも大事だが、安定した地盤をつくるために“育成”の質を高めることが重要になってくる。では、日本サッカー協会は育成に対してどんな考えをもっているのだろうか。今年からJFA地域総括ユースダイレクター(関東担当)を務める城福浩氏に話を聞いた。
“トレセン”はどうあるべきか。JFAユース育成ダイレクターが語る「多くの選手に刺激を与えつづけること」の意味
(文●河治良幸 インタビュー写真●編集部 写真●Getty Images)
サッカーは自分ができるプレーとやるべきプレーを選択するスポーツ
2007年に“城福ジャパン”と言われたU-17日本代表を率いて世界で戦った経験を持ち、FC東京やヴァンフォーレ甲府で指揮した城福浩氏は現在、ナショナルトレセンの関東地域ユースダイレクターとして指導者や選手の育成にはげんでいる。これから成長していく若い選手にとって何が大事だと考えているのだろうか。
Jリーグでプロ選手を指導し、再び育成の現場に戻ってきた城福氏は指導のスタンダードが先進国との差を伝えることに加え、選手に考えさせることも大事にしようとしている方向性の変化を実感しているようだ。
「プレー中の判断にはあらゆる状況が関わっています。よく“判断の正確さ”といいますが、(サッカーは)自分の特徴からはじまり、試合状況までをトータルの判断材料として、自分が出来るプレーとやるべきプレーを選択していくことが必要なスポーツだと思います」
サッカーの本質をそう言いあらわす城福氏は「その瞬間プレーの選択肢には何があって、その中で自分が精度高くできるプレーと、状況に応じたベターなプレーを照らしあわせる。そういうを判断の連続の中で世界のサッカーは試合が進んでいく。日本も世界に近づいていかなければならない」と言う。
象徴的な事例が今年5月に行われたU-20W杯だ。内山篤監督が率いていた日本代表はグループリーグ3戦目のイタリア戦、勝利か2-2以上の引き分けで決勝トーナメントに進める条件だったが、2-2になると選手たちは何が何でも勝つより、負けずに試合を終えることに意識を切り替え、残り時間をコントロールしたのだ。
そうした判断は内山監督が2年半かけてつくってきたチームに植え付けてきた部分でもあるが、普段から状況に応じたプレーの判断を意識していなければ、こうした世界大会で柔軟なゲームコントロールを実行することは難しい。
「サッカーは二度と同じシーンが起こりえない変化のあるスポーツ。そのシチュエーションのなかでその瞬間に判断しないといけない」
城福氏は瞬間、瞬間のプレーの判断と時間帯や試合展開に応じたゲームコントロールの判断はつながっていると指摘する。
ベースとして、できるプレーの選択肢を増やし、そのスキルを高めることは必要だが、一方で「もちろんより良いプレーをしないといけませんが、それは全て状況によるということをこれから深く掘り下げていく必要がある」と城福氏は考えている。
【今年5月に行われたU-20W杯、内山篤率いる日本代表はイタリアを相手に“柔軟”な試合運びをみせて見事に決勝トーナメント進出を決めた】
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