「問いかける」だけではない。プレーの”選択肢”を広げるために指導者ができること【6・7月特集】
2018年06月13日
未分類
チームとしての戦い方と選択肢は切り離せない関係である
前述したことの裏を返せば、チームとしてプレーの共通イメージがあるから選択肢が成り立つのだ。ボールを持っている選手もボールを持っていない選手もその共通イメージに向かって選択肢を持つ作業を行う。選択肢とは「選ぶ側」と「選ばれる側」があり、それを成立させるには両者が共通した状況の把握の仕方もしていなければならない。それを結びつけるのが「チームとしての戦い方」、ようするに「チームとしてのプレーモデル」だと思う。
ジュニア年代でも選択肢を持つことの重要性をうたう指導者は大勢いるが、その年代で身につけるべき戦い方を明確に示し、トレーニングを通して選択肢を選ぶ側、選ばれる側として指導している人はどのぐらいいるだろうか。
「味方を見つけろ」
「敵を確認しろ」
「スペースを探しておけ」
「スペースに動き出せ」…etc
言葉を投げかけるのは大切なことだが、選手たちに「なぜそれが必要なのか」という意味を説明できなければならない。一つの選択肢を成立させるには、選ぶ側と選ばれる側の意図が合致する必要があり、その意図を作るには指導者がチーム全体の戦い方をある程度明確にした上で、練習の中で選手たちに問いかけ続けてトレーニングしているからチームプレーが実現できるのだ。そして、再現性高く表現できるのだ。
だからと町クラブに小難しいことまでは必要ない。スピードのあるFWを生かしたいのなら「どのタイミングでそのFWを使うのか」をテーマに、チャンスメイクで使う場合とゴールゲッターとして使う場合と2パターンぐらいからスタートしたらいい。そのFWを使うまでの間、周囲の選手たちがボールをどう動かすのかは彼の位置によって変わるだろうし、あえて遠いところから一気にロングボールを通すことだってある。
それがわかっていれば選ぶ側も選ばれる側も共通した選択肢を持てる作業を行うようになる。サッカーは自由だが、その前にチームスポーツ。チームとしての戦い方がある程度あるから選択できるし、その選択を複数持つために「敵」「スペース」「味方」を見て情報として得るのだ。
一瞬の時間で認知できることは限られている。現在の育成現場の指導は、それを子どもに委ねる形で問いかけるだけで終わっているクラブがほとんどだ。その前に指導者がどう戦っていくかを子どもに理解させるから、それぞれの状況に応じた選択肢を持つために一人一人がチームとしてどうプレーすべきかを考えられるのではないだろうか。
チームとしての戦い方と選択肢は切り離せない、互いに必要不可欠な要素である。単に状況を把握するだけの認知力を高めることも重要だが、その認知をチームプレーとして合致させる体験がクラブチームにはたくさん必要だ。そのアプローチをするためには、チームとして狙いを持ったプレーをするトレーニングを行うことが大切である。それはクラブチームでしか体得することのできない領域だとも言えるだろう。
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