反復練習に時間を費やす必要はない。 戦術理解を養う「止める・蹴る」の指導法とは
2018年06月23日
サッカー練習メニュー2人、3人組の関係性を作る練習に時間をかける
スペインと言うと、日本では根強く「イニエスタやシャビのような〝止める・蹴る〟がうまい選手が中盤に多い」というイメージが浸透しています。確かにボール操作という点で見れば今の世界トップレベルのサッカーにおいてはGKも含めてどのポジションの選手にも一定レベルの操作技術は求められます。
それに、私が今担当しているスペインのユース年代(1、2部)でも、「止める・蹴るの最低限のボール扱いはある程度自由自在にできて当然」という前提に立って指導しています。近年はGKのフィード能力によってビルドアップのオプションがかなり変わってきていいます。
イニエスタ、シャビ、シルバ、イスコといったスペイン代表で活躍する中盤のテクニカルな選手のみならず、FCバルセロナのドイツ代表GKテア・ シュテーゲン、マンチェスター・シティのブラジル代表GKエデウソンのように〝止める・蹴る〟の技術がフィールドの選手と同等かそれ以上のレベルのGKが出始めています。現代サッカーでは全選手が高いレベルのボール操作、技術を求められますので、私が指導しているチームではボールポゼッションの練習もGK含めて全員で行いますし、スペインでは中盤の選手のみが技術的にうまいわけではなくなっています。
私自身、数年前から反復練習の重要性を再認識しています。反復練習を行うことで実戦、ゲームで使える道具が確実に精度高く増えていきます。
ただし、私がユース年代で反復練習を行う技術は個人技術ではなくユニット、グループとしての技術です。ある 意味で、〝止める・蹴る〟の技術があることを前提として、「相手が何を考えているのか」、「どういう対応をしているのか」を認知し、それに対してリアクションする形でその状況を解決するためのパターンを習得していきます。
実際、高校生相手にプレシーズンでは2人組の壁パス、コンビネーションの反復練習を導入していますが、そこでの2人組は同サイドのサイドバックとサイドハーフという形でシーズンに入った時に実際コンビを組むことになる2人をこちらで選んでいます。サッカーですので状況は目まぐるしく変わるのですが、変化する状況にあっても解決できるパターンを出せるための2人、3人組の関係性を作るような反復練習に時間をかけているのです。
そうした反復練習をやり始めた時には型を作る目的でやっていましたが、今はその型自体にもバリエーションがあり、シチュエーションに応じて最適なパターンを選べるような反復練習にまで発展させています。
カテゴリ別新着記事
ニュース
-
【FIFA U-17女子ワールドカップモロッコ2025】U-17日本女子代表 メンバー発表!2025.09.19
-
【FIFA U-20ワールドカップチリ2025】U-20日本代表メンバー発表。石井久継や高岡伶颯らが選出!2025.09.17
-
U-17日本代表メンバー発表!【国際ユースサッカーin新潟】2025.09.08
-
U-16日本女子代表候補、国内トレーニングキャンプメンバーを発表!2025.09.08
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.05.21
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.05.21
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.05.21
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.05.21
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.05.21
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- “いい選手”は「2つのラインの交点に立つ」。ポジショニングに必要な「ボールなしペアリング」とは?
- U-17日本代表メンバー発表!【国際ユースサッカーin新潟】
- 【FIFA U-20ワールドカップチリ2025】U-20日本代表メンバー発表。石井久継や高岡伶颯らが選出!
- U-16日本女子代表候補、国内トレーニングキャンプメンバーを発表!
- 町クラブから選抜された選手たちがスペインで武者修行!バレンシアやビジャレアルなどと対戦
- 縦割りの練習、危なくない?
- やら・り~の基礎サッカー講座 サッカーあそび④「サッカーテニス」
- 【第39回全日本少年サッカー大会】富山県大会 決勝フォトレポート&結果「大激戦を制して小杉サッカークラブが32年ぶり2度目栄冠」
- 優秀な『ストライカー』の定義とは。日本の指導に足りない「勝負へのこだわり」
- 当てられるのではなく当てにいく。小柄なストライカーが屈強なDFと渡り合うコツ