「個人ありき」ではチームは機能しない。U-12年代までに教えるべき守備戦術の指導法
2018年08月30日
サッカー練習メニュー戦スペインでは完成度の高いサッカーを選手に求める
私が在籍しているUEコルネジャとリーガ1部のプロクラブであるRCDエスパニョールの小学生の試合(U-11の1部リーグ)を見たときの守備戦術です。
図1のようにして2-3-1のシステムでプレーするエスパニョールU-11に対し、コルネジャU-11は3-1-2のシステムでした。コルネジャは2トップの一人が中間ポジション、具体的にはエスパニョールのDFとサイドMFの間にポジションを取って、ボールを持っているGKを困らせていました。
こうすることでGKとしては、DFにパスをするとそのFWにアプローチをかけられるため、足元にはパスを出しにくい状況です。では、ロングフィードでサイドMFにパスをつけるという選択をするにしても、浮き球ですからボールの移動中にスライド対応され、コントロールしたボールに対してプレスがかかるようになっています。(図2)
加えて、この状況では浮き球をコントロールしながらプレッシングに来る相手を見なければならないので、パスをコントロールするエスパニョールのサイドMFは難易度の高いプレーを要求されます。このようにシステム上、戦術上はめこまれた状況では、浮き球をコントロールしてプレッシングをはがすドリブルや他のMFへ1タッチでつけるパスを成功させなければいけません。
エスパニョールがボールを保持できるかどうか、ミスなどが起きてコルネジャがボールを奪いショートカウンターを発生させられるかどうか、という展開の分岐点となるポイントとなっていました。このように して格上相手に戦うチームは、小学生年代でもこのような守備戦術で相手を苦しめています。そのような試合を間近に見たとき、「やはりスペインは世界の最高峰のサッカー大国だ」と改めて驚かされました。
もちろん、U-11年代の選手のプレーにも驚かされましたが、小学年代にそこまで完成度の高いサッカーを選手に求め、実際のピッチで実行しているチームがたくさんあるということはそれだけ指導者のレベルが高い証拠です。このレベルの戦術を求め、実行できるようになれば、選手は当然ながら成長します。この現象を見たとき、スペインサッカーの進化や明るい未来が見えました。
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