「練習メニューの継ぎ接ぎ」では選手に伝わらない。トレーニングはどう構成すべきか?【10・11月特集】
2018年11月28日
サッカー練習メニュー
「練習メニューの継ぎ接ぎ」では選手に伝わらない
――本当はプレーモデルから逆算したトレーニングデザインを伺おうと思っていましたが、むしろ現状の日本の指導者たちには濱吉さんがジュニアの選手たちをスクールで指導した経験を語ってもらった方が心と頭にスッと伝わるかもしれません。
濱吉「そのスクールは『HAMAサッカー塾』というのですが、当時も私は『1回のトレーニングで絶対に上手くする』という信念を持って指導していました。それが対価をいただくプロのコーチの仕事です。どのトレーニングにも戦術的な判断をしないといけない状況の設定、インテンシティを保つことは当然のことです」
――今回はジュニアを対象に開いていたサッカースクール「HAMAサッカー塾」で行っていた指針の部分を掘り下げながら話を聞こうと思います。どんなことを重要視していたのでしょうか?
濱吉「基本的にプレーに対する『先読み』と『インテリジェンス』の部分は今も変わらず大切にしている部分です。今日のセミナーでも話をしましたが、『2対2+2対2』などは当時から行っていました」
――例えば、テクニックにフォーカスした練習メニューの中にも戦術的な要素が入っているわけですよね? 濱吉流トレーニングとして練習メニューを考える時にご自身の中でどういう思考の流れがあるのか、少し頭の中をのぞかせてもらえるとありがたいです。
濱吉「私の解釈では、テクニックと一言で表現しても『動きながらスピードのある中で判断を下してボールを扱っていく』ことです。ヨーロッパでは『ダイナミックテクニック』とも呼ばれています。基本的には、実践的なトレーニングをする中で扱うテクニックはすべてがダイナミックテクニックです。当然、同時に二つ以上のことを要素が入るプレーになるのでミスは起こります。でも、根気強く、粘り強く、ミスを恐れずダイナミックテクニックに取り組んでいけばスクールでもプレーモデルに従い、プレー原則を身につけたサッカーにつなげることができます」
――セミナーの中でいろいろな映像を見せていただきました。どの監督にも当てはまることですが、チームとして目指すプレーモデルがあり、それを実践するために必要なプレー原則をゲーム形式で身につけさせていたのが印象的です。
濱吉「私はコーチが指導しやすいオーガナイズが大事だと考えています。それぞれ練習メニューが1、2、3とあれば、すべてにつながりを持たせるのは当然です。でも、コーチがそれぞれの意味を理解していなければ練習の意味をなさないし、だったら複雑な練習メニューよりもコーチが理解できる簡単な練習メニューで1日のトレーニングを構築すればそれで十分です。本やインターネットを参考にして意味もわからず、練習メニューを継ぎ接ぎしただけでは選手たちも意味がわかりません。
例えば、グリッドを作ってコーンを置きました。まず、トレーニング1をやって終わったとします。次のトレーニング2はコーンを取って条件設定を変えるだけでいい。そして、それにもう一つ同じグリッドをくっ付けたらゲーム形式のメイントレーニングに変わってしまった。そういうことが指導者が取り組むべきオーガナイズの理想形です。とにかくコーチがやりやすい流れを作れるオーガナイズの中で指導することが一番です。最初から複雑にする必要はありません」
濱吉氏 新著『サッカープレーモデルの教科書 個を育て、チームを強くするフレームワークの作り方』 2021年1月6日発売!
カテゴリ別新着記事
ニュース
フットボール最新ニュース
-
バルセロナが逆転勝利。チェルシーがまさかの黒星【9日結果まとめ/欧州CL】2024.05.21
-
アーセナルが直接対決を制しCL首位浮上【26日結果まとめ/欧州CL】2024.05.21
-
バルセロナがチェルシーに完敗【25日結果まとめ/欧州CL】2024.05.21
-
上田綺世が先制ゴールもチームは敗戦【27日結果まとめ/欧州EL】2024.05.21
-
バルセロナ、終始リードを許す展開で辛くもドロー【5日結果まとめ/欧州CL】2024.05.21
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- クラブとともに戦い、走り続ける背番号13――。FC岐阜の永久欠番
- 全試合日程・組み合わせ・会場一覧【JFA 第49回全日本U-12サッカー選手権大会】
- レジスタFC、ソレッソ熊本、ヴァンフォーレ甲府らが全勝でラウンド16進出!【JFA 第49回全日本U-12サッカー選手権大会】
- 北海道コンサドーレ札幌、ツエーゲン金沢、ジョガボーラ柏崎らが2連勝スタート【JFA 第49回全日本U-12サッカー選手権大会】
- 「JFAナショナルトレセンU-12関西」が開催!
- 名古屋グランパスU-15が横浜F・マリノスジュニアユースを下し高円宮杯を制覇!【高円宮杯 JFA 第37回全日本U-15サッカー選手権大会】
- 川崎フロンターレ、サガン鳥栖、デサフィオC.F.らが準々決勝進出!【JFA 第49回全日本U-12サッカー選手権大会】
- かつて“怪物”と呼ばれた少年。耳を傾けたい先人の言葉
- U-15日本代表メンバー発表!【EAFFU-15 Championship 2025】
- すぐに「痛い」と言い出す息子…。


















