男子とプレーしたくない…。現場指導者の声から浮かび上がる女子サッカーの問題点【1月特集】

2019年01月25日

コラム

女子のジュニアユースの環境はどうなのか?

――ご存知なら教えてもらいたいのですが、他県はどうなのでしょうか?

小林氏「Facebookで沖縄の指導者とつながっているのですが、その方の投稿を見ていると、沖縄の女子チームはアンダーカテゴリーでの参加をしているようです。同じ北信越では、新潟は同じカテゴリーで試合をしていると聞いています。私も、運営する『松本ウイング』については6年生の人数がそろえば同じカテゴリーで出場したいのが本音です。だけど、男子と掛け持ちしている子が多いので日程的に厳しいんです。女子チームの試合出場については掛け持ちがあるので、条件として『同じ週に2試合以内』というルールがありますから。でも、オーバーワークの管理はしっかりとしなければなりません」

――拮抗した試合という点では難しさがありますね。

小林氏「新潟は得失点差二桁でボロ負けする試合もあるようですが、下位リーグだから勝てる試合もあるようです。だから、北信越の女子大会では強豪で上位に位置するんです」

――長野県はチーム数も二桁あるので、女子だけのリーグを行うことはできないのでしょうか?

小林氏「長野県は広いので移動負担が大きいんです。距離も長く、交通費もかさみますから。時間的にも、絶対に高速を使わないと厳しい。例えば、中信エリアの松本開催だったとしても、第一試合の9時キックオフに間に合わせるためには8時くらいに到着していなければいけません。そうすると、北も南も6時前後には出発しなければいけないし、片道2,000円はかかるから往復で4,000円は必要です。経済的な負担も大きい。ただ、5種だった頃は女子のリーグ戦をしていました」

――1年に二回ある県大会はリーグ戦ではないのですか?

小林氏「初日にグループリーグ、二日目にトーナメントを行うカップ戦になります。中信エリアで開催し、もう19回を数えるのでそれなりの歴史を重ねています」

――ジュニアでプレーする女子選手は、その上のジュニアユース(中学年代)に上がった時、どういう環境下でプレーするのですか?

小林氏「まず、男子中心のクラブと掛け持ち活動している選手は、トレセンなどの選抜に選ばれていないと、ジュニアでキャリアを終える子が極めて多いです。ジュニア期にサッカーを続けられるような人間関係を築いていないまま、女子選手として中学の部活動に入ったとしてもその後の男子との急激な体格差により大部分がフェードアウトするケースが多いです。悲しいことに、その後も女子サッカーに戻ってくることはなかなかありません」

――長野県内の中学に女子サッカー部はあるのでしょうか?

小林氏「中学の女子サッカー部はゼロです。長野県に陳情したこともありますが、県自体の部活動が縮小している傾向にあるなか、新設部の立ち上げは非常にハードルが高いなと感じました。少し前にダンス部の立ち上げが多少話題になったこともありますが、『女子サッカー部の創設はありえない』という印象です」

――では、具体的にどのようにしてサッカーを続けるのですか?

小林氏「ジュニアの指導スタッフが上のカテゴリーを作ったり、社会人クラブと連携してU15・18を立ち上げたり、主にこの2パターンです」

――でも、長野県内のエリア事情でいえば、中信エリアと南信エリアの2つ以外はそれぞれ女子チームが1つしかありません。簡単にU15チームを作ることはできませんよね?

小林氏「その通りです。レベルの高い中学が一校だけあって、そこは男子部が女子を受け入れている学校です。上松中学校というのですが、そこの出身選手は全国高校女子サッカー選手権大会に出場しています」

――そういう学校もある一方、U15の選択はほとんど見つからないのが現実です。

小林氏「カテゴリーによってかなり差があります。U15でも、どういう風にプレー経験をうまく積み上げていくのかは課題です」

――U18になれば親元を離れて他県の強豪校を選ぶことも可能ですが、U15ではまだ早いです。

小林氏「県内にもいくつかの高校にサッカー部がありますし、他県の強豪校という選択肢があります。でも、県内を見渡しても上田など一部の地域にU12・15女子サッカーの空白地帯も存在します」

※続きは1月30日(水)掲載予定です。

【1月特集】女子サッカーを見つめる

 

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