大人同士に生じた軋轢が子どもたちに影響を及ぼしては本末転倒だ【サッカー外から学ぶ】
2019年05月09日
育成/環境
【元アップル社CEO スティーブ・ジョブズ氏】
「永遠の議論」はそもそも対立もしていないし、議論の必要もない?
細谷さんの著書の中で、ビジネスの「永遠の課題」として、次の例を挙げている。
A「長年の伝統は守るべき」
B「変化しないものは生き残れない」
A「顧客の言うことを聞いていては良いものはつくれない」
B「顧客の声がすべての製品開発の出発点である」
「顧客の意見を聞くな! は、革新的な製品を生み出す会社でよく聞かれる言葉です。ここで言う、『顧客の声』は、目に見える具体的な改善要望やクレームのことです。いまあることの上乗せにこだわらず、顧客のニーズを先取りする企業が本当に顧客が欲しいものを想像するというのはよくある話です」
アップル社のスティーブ・ジョブズは「電話を再発明する」と宣言し、「果たして需要があるのか?」と多くの人が必要性、需要に懐疑的だったiPhoneを世に送り出した。スマートフォンが現在のあなたの生活に欠かせないもののひとつになっているだろうことを思えば、当時の「顧客の声」を無視し、顧客がまだ気がついていない「本当に欲しいもの」を生み出したジョブズの慧眼を讃えるしかない。
一方の、「顧客の声がすべての製品開発の出発点である」は、20世紀に世界を席巻した日本の家電メーカーの躍進の原動力になった。
抽象度の高い「顧客の声」、つまり声なき声に耳を傾けたアップルと、使用されている現場の声、抽象度の低い(具体度の高い)「顧客の声」に即時対応することで製品改良を重ねてきた日本企業。抽象度の工程を考えることに慣れていない私たちは、アップルが良くて日本企業がダメというステレオタイプなとらえ方をしてしまいそうになるが、細谷さんは「不連続な変革期=現在のような不安定な時代においては抽象度の高いレベルの議論が求められ、連続的な安定期=かつての経済発展期には具体性の高い議論が求められる傾向にあるだけで、どちらが正解なのかという“二者択一”ではない」と説明する。
「こうした『永遠の議論』は、『どのレベルの話をしているのか?』という視点が抜け落ちたまま進むので、永遠にかみ合いません。抽象と具体で考えると、『同じものの違うところを見ていただけ』という話もよくあります」
カテゴリ別新着記事
ニュース
-
【第49回 日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会】出場チーム決定!2025.06.18
-
なでしこジャパン(日本女子代表)、国際親善試合(vsスペイン女子代表)と「E-1サッカー選手権」に臨むメンバー発表!2025.06.18
-
「エリート女子GKキャンプU-15」参加メンバー発表!2025.06.17
-
「東北トレセン女子U-13」が開催!2025.06.10
フットボール最新ニュース
-
近江高校の躍進を支えた7つの班。「こんなに細かく仕事がある」部員も驚くその内容2024.05.21
-
「三笘薫ガンバレ」状態。なぜサッカー日本代表は個を活かせないのか?2024.05.21
-
【遠藤航・分析コラム】リバプールは何が変わったか。遠藤を輝かせる得意の形2024.05.21
-
リバプールがプレミア制覇に一歩リード?「タイトル争いは間違いなく波乱万丈」2024.05.21
-
前回王者マンC、絶対的司令塔の今季CL初出場・初ゴールで勝利。レアルも先勝2024.05.21
大会情報
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 大阪大会】大会結果2025.03.07
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】フォトギャラリー2025.03.03
-
【卒業記念サッカー大会第18回MUFGカップ 東京大会】F.Cボノスが逆転勝利で優勝を果たす!<決勝レポート>2025.03.01
-
【卒業記念サッカー大会 第18回MUFGカップ 愛知大会】大会結果2025.02.25
お知らせ
人気記事ランキング
- かつて“怪物”と呼ばれた少年。耳を傾けたい先人の言葉
- 低学年と高学年の食事量の違いは?/小学校5・6年生向けの夕食レシピ例
- 東北トレセンU-13が開催!
- 栄養も食事量も“バランス良く”/小学校1・2年生向けの一日の食事例
- 食べてすぐに運動しても大丈夫! 試合前にとりたい”消化の良い”食事とは?
- パスやシュートばかりでドリブルしない子ども
- ひとつの時代の築いたドルトムントとクロップ。クロップが実践していたサッカーを動画で振り返る!
- 目に見えづらいスキルを高める方法とは。『危機察知能力』と『オフ・ザ・ボール』の動きの指導方法を学ぶ
- ケガをしにくい“体の使い方”とは? 体重移動ではなく「重心移動」
- 予測不能な攻撃を生み出すDFラインからの組み立て。CBに求められるパス意識とは