状況判断の向上に「認知力」は必要不可欠である。その真意を説く【6・7月特集】
2018年06月06日
未分類6・7月の特集テーマは「認知力向上が上達への第一歩だ」。日本でも状況判断の重要性をうたう指導者が増えたが、その理由を子どもたちに具体的に語れるところまでにはたどり着いていない。状況判断には、前後に工程がある。そこで簡単だが、今回は「状況判断」をきっかけに「なぜ認知力向上が大切なのか」の理由を書き記したい。
取材・文●木之下潤 写真●佐藤博之

「状況判断の伴うプレー」をするためには3つの段階がある
「状況判断を身につけることが重要だ」
育成指導者なら誰もが口にする言葉である。「サッカーは常に状況が変わる。だから、状況に応じたプレーをしなければならない」。昨今、日本のジュニア現場でも当たり前のように発信されるこの言葉。だからこそ問いたい。
状況判断とは一体何なのか?
ちゃんと答えられるジュニア年代の指導者はどれくらい存在するのだろうか。状況判断と一言で表わすが、状況判断を要するプレーには、その前後にも工程がある。
1.状況を把握すること
2.状況判断するために優先順位を整理すること
3.決断して全身でプレーすること
このことは思考の流れだとも捉えられる。目から入った情報を脳内でしっかりと認識し、それを分析した上で状況に応じた適切なプレーを体で表現する。さらに掘り下げ、この一文と1〜3を照らし合わせると目の前の子どもたちに「何が足りないのか」、もっと言えば「指導に何が足らないのか」が見えてくる。もし見えたとしたら指導の考えをあらためる、コーチングのアプローチをあらためるキッカケにしてほしい。
1.目から入った情報
→状況を把握すること2..脳内でしっかりと認識し、それを分析
→状況判断するために優先順位を整理すること3.状況に応じた適切なプレーを体で表現する
→決断して全身でプレーすること
たった一つのプレーを実行するために、これだけの工程を経ているのだ。何からスタートして、どういうことを自分の頭の中でもんで、最後に全身へと落とし込む。それが一連のプレーへとつながっていく。さらにこの1〜3の工程を「私が見て回った中の一般的なジュニア年代の練習」と照らし合わせてみると、トレーニングの課題が浮き彫りになる。
▼ウォーミングアップ=「全身運動」
▼技術トレーニング =「テクニックを磨くこと」
▼複数人トレーニング=「状況判断を身につけること」
▼ミニゲーム =「1〜3を一連させてプレーすること」
これを見て「おかしい」とは思わないだろうか?
「思わない」指導者は勉強不足だし、そもそもサッカーを指導することと向き合っていない。おかしい点はいくつもあるのだが、それを挙げていると指摘の本質を捉えられない指導者もいるため、簡単に説明する。
「それぞれの練習がぶつ切りになり、つながり合っていない。だから、状況判断が身につくわけもなく、判断してプレーを実行できるわけもない。各練習には包括的に複数の要素が含まれていない、もしくは不足している」
例えば、ウォーミングアップでは全身運動に加え、「2択できる選択肢を設けて決断する」複数の要素を合わせてみる。ほかにも、技術トレーニングの中には状況を見て選択肢が持てる要素を入れてみる。そうすると、複数人トレーニングがより意味のあるものになるのではないか。
しかし、実際はウォーミングアップも体を動かす全身運動に終始し、技術トレーニングもコーンドリブルやトライアングルパスなど体に形だけを覚えさせる、いわゆる「筋トレ」でしかないため、結果的に複数人トレーニングで身につけたい「状況判断」へとつながっていかない。この段階で急に「1〜3の工程を身につけろ」と言っても難しいだろう。指導している大人でもプレーとして実行できないような中身になってはいないだろうか。
こうして客観的に書き起こしてみると、「いかにサッカーをプレーするためのトレーニングになっていないか」がわかる。私が感じるに各練習につながりあいがなく、単発的なトレーニングに行っているだけになっているため、違うアクションのエクササイズを時間ごとに区切っているのと何ら変わらない。これではサッカーをプレーすることは難しい。
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