育成年代における「プレーモデル」「グループ戦術」「個人戦術」の重要性

2018年10月15日

サッカー練習メニュー

個人戦術(個人戦術は「個」ではない。真の定義とは)について説明しましたが、育成年代のチームは、「チームプレーの中で個人戦術を習得することが重要」と長年スペインで指導する坪井健太郎氏は話します。しかし、小学生の試合に目を向けてみると、ただゴールを目指しボールを蹴っているだけで、チームがどのようにプレーするのか(プレーモデル)がはっきりしていないチームが数多くあります。育成年代における「プレーモデル」「グループ戦術」「個人戦術」の重要性とは。

再構成●ジュニサカ編集部 文●坪井健太郎 構成●小澤一郎 写真●佐藤博之

『サッカー 新しい攻撃の教科書』から一部転載


図1

チームプレーの中で個人戦術を習得することが重要

 まず、戦術項目については、「チームプレー」と言われるチーム/グループ戦術と、2人以下の関係の中で発生する「個人戦術」に分類できます。
 
 私自身がスペインの指導者学校に通っていた8年前は、この2つが分割されておらず、1つの「戦術」という科目でまとまっていました。しかし、数年前にカタルーニャ州サッカー協会のカリキュラムを確認したところ、分類した内容に変わっていました。サッカーの解釈に変更、アップデートが生じた時に指導者学校のカリキュラムを素早く変更するあたりに、スペイン人、スペインサッカー界の柔軟性の高さを感じます。
 
 現在のカリキュラムにおいては、チームのアクションのコーディネートをしやすくできるよう、次の4つのセクター(領域)に分けて状況が存在します。

①チーム全体:11人。1-4-3-3のシステムでどのように攻撃するのか、プレッシングはどうするのか、など11人全体の領域を考えること。

②インテルセクトリアル:5人以上のユニットで、最低でも2つのラインで構成されている。4人のDFラインに2人のボランチの領域、2トップと4人のラインで構成された中盤の領域などがこれにあたります。前者であればサリーダ・デ・バロン(※直訳はボールの出口。ビルドアップに似た言葉ではあるが、攻撃の始まりを表すスペインサッカー特有の表現)時にDFラインからどのように中盤にパス供給するのかをコーディネートすることが挙げられる。

③セクトリアル:3人から4人までのユニットで1つのラインまでの領域。DFラインでボールを保持することなどが一例となる。

④インディビデュアル:個人(2人の関係も含まれる)。

 図8はチーム/グループ/個人の領域の区分けを示しています。サッカーを始めたばかりの選手がいるような育成年代のチームにとっては、チームプレーの中で個人戦術を習得することが重要です。なぜなら、チーム/グループ戦術は個人戦術のベースがありきで機能しているからです。年代が上がり、成熟度も上がってくるにつれ、トレーニングの目的は多い人数のセクターのコーディネートへと移行していきます。

図1
※クリックで画像を拡大することができます。

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