育成現場で目にする怒鳴る指導。怒られると子どもの脳はどうなる?

2014年05月03日

コラム

よく少年サッカーの現場では、時折、感情的に怒鳴っているような指導者や親を見かけます。そのときの子どもの脳はどのような状態になっているのでしょうか? また、怒鳴る指導にはなんらかの意味はあるのでしょうか。『フリーズする脳』『脳が冴える15の習慣』(ともにNHK出版)などのベストセラーで脳科学から自信を取り戻す方法をアドバイスしている築山節先生の言葉に耳を傾けてみましょう。

文●戸塚美奈 写真●ジュニサカ編集部

※『ジュニアサッカーを応援しよう!Vol.26』より転載


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※写真はイメージ。記事の内容とは関係ありません

「怒鳴る」ことは逆効果 伝わるものも伝わらない

 教えることが目的なのであれば、怒鳴ることはあまり意味はないでしょう。

 むしろ逆効果といえます。なぜなら、怒鳴られることで、子どもたちの脳の働きが止まってしまうからです。

 脳では、理論的なことより、本能的に価値がある情報が先に伝わります。

 つまり、「好き、嫌い」という感情系の情報が優先されるのです。子どもに限らず人は「嫌い、イヤ」となったら、どんな理論を立てて話しても脳には入りません。さらに怒鳴ることは相手に「イヤだ」という感情系の情報を先に伝えてしまい、それ以上の情報が伝わらなくなってしまいます。

 すると怒鳴られたほうは、思考が止まってしまうのです。

 「怒鳴る」ことは感情的な発散であることが多く、教えるというより、思いどおりにならないという自分のフラストレーション発散のために怒鳴ってしまっていることが多いのではないかと思います。

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