父が語る鮫島彩選手の素顔。女子サッカー界屈指の実力を持つサイドバックの原点はジュニア時代に
2015年06月22日
サッカーエンタメ最前線前回のFIFA女子ワールドカップで世界一に輝いたなでしこジャパンのメンバーで、今大会でも第二戦のカメルーンで重要なゴールを決めるなどの活躍を見せる鮫島彩選手。彼女は栃木県にある女子サッカーチーム、河内SCジュベニ―ルの出身で小学1年生のときからサッカーを始めた。このクラブの代表を務めるの俊裕さんは、実は鮫島選手の父親でもある。そんな俊裕さんに鮫島選手の少女時代のお話を伺い、彼女の素顔を探った。
(構成●編集部 文●鈴木康浩 写真●Getty Images)
兄の影響でサッカーを始める
――ではまず、鮫島選手の幼少期のお話を伺いたいのですが、小学1年生からサッカーを始めたそうですね。
彩が小学1年生のとき、安藤梢が6年生の先輩にいました。それで彼女や彼女の同級生からも(サッカーに)誘われていました。小学4年生の次男が、当時私が監督を努めていたチームに入団した同じタイミングで、彩もジュベニ―ルでサッカーを始めたんです。ですから、その頃は彩を直接指導することはほとんどありませんでした。
しかし、ジュベニールには、今はもう亡くなられたのですが、チーム創設者の阿満憲幸監督というすばらしい指導者がいらっしゃって、この人に任せておけば大丈夫だという安心感がありました。
――阿満監督はどんな指導をされていたのですか?
今から20年前の少年サッカーといえば、キック&ラッシュ、つまり、ボールを前線に蹴ってとにかく走る、というスタイルが主流でした。そんな中でも、阿満監督はそのときからすでに、どこのチームもやっていないような、ボールをしっかりつなぐパスサッカーに信念を持たれて指導されていたんです。
安藤梢が6年生のときに全国優勝を果たすなど戦績も残していたので、よく近隣の指導者たちが練習見学に訪れていたほどでした。オフサイドのラインコントロールも教えるような徹底ぶりです。
阿満監督は海外サッカーのビデオもよく見られていて、とにかく研究熱心な方でした。小学1年生の彩には専門用語が難しくて、試合形式の練習になると、監督が言っていることがわからないので「やりたくない」と言って最初は基本練習ばかりやっていたぐらいです。
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