戦術はアップデートされていくもの。攻守両天秤のハンドボールから学ぶ守備の哲学

2015年06月23日

コラム

ディフェンス能力も個の力

──このふたつのフォーメーションでは、どちらも決められたエリアを守る意識ですか?

 ボールゲームには3つの守り方があります。ゾーンマーク、マンマーク、ボールマークです。先ほど例にあげたフォーメーションでは、どちらも基本的に自分のエリアを把握して守るゾーンディフェンスです。

 シュートを打たせないように守備をしながら、相手を追い込んでいきインターセプト、パッシブプレー、ターンオーバーを狙うということが重要になってきます。

──こういった守備時のフォーメーションや戦術はハンドボールのジュニア年代の選手育成でも教えるものですか?

 ハンドボール界では、ジュニア年代からディフェンスの原則原理を当然のように教えています。先ほども言ったように攻守両天秤のスポーツなのでマイボールにしなければ攻撃は始まりませんから。

 さらに言うとハンドボール界で求められる人材は「ディフェンスのファンタジスタ」なんです。

 一人で2、3人分のエリアを守れることや、チームとしてボールを奪いたい位置に誘い込める。そういったことが先ほど説明した布陣の5−1DFの1トップに入る選手に必要な資質です。

 サッカーでいう、一人で何でもできる優秀なボランチのような役割です。例えが少し古いかもしれませんが、かつてレアル・マドリーなどで活躍したクロード・マケレレのような選手です。

 ただ、ハンドボールの場合、得点がサッカーの10〜20倍入るスポーツで、シュートを打たせてしまったら得点される可能性がサッカーより高くなります。

 なので、サッカーよりも攻撃側のシュートをいかに消せるかを考える割合が高いと思います。そういった違いはありますが、どちらとも守備の部分でも“個の力”が重要になってくることは間違いないのではないでしょうか。

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