「PK失敗」を防ぐためのヒント。PK研究で名をあげたスポーツ心理学者が語る“二つの戦略”

2016年12月21日

メンタル/教育

PKはサッカーにおいて恐らく最も簡単に奪えるゴールである。しかし、簡単なはずのPKはなぜ外れるのか。PKに成功する秘訣とは一体何なのか。そのヒントを探るため、長年にわたりPKに関して取材を行ったジャーナリスト、ベン・リトルトンの著書『PK ~最も簡単なはずのゴールはなぜ決まらないのか?~』から、元サッカー選手で現在はスポーツ心理学者という異色の経歴を持つゲイル・ヨルデット博士の理論を紹介する。

(文●ベン・リトルトン 監訳●実川元子 写真●Getty Images)

『PK ~最も簡単なはずのゴールはなぜ決まらないのか?~』より一部転載


VI?A DEL MAR, CHILE - JUNE 26: Lionel Messi of Argentina takes the first penalty kick in the penalty shootout during the 2015 Copa America Chile quarter final match between Argentina and Colombia at Sausalito Stadium on June 26, 2015 in Vi?a del Mar, Chile. (Photo by Alex Reyes/LatinContent/Getty Images)


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PKの成功率は運なのか?

 PK成功率の平均はだいたい78%くらいで、PK5本のうち1本は失敗する確率になる。この数字はワールドカップでのPK戦だと71%まで下がるが、ヨルデットはプレッシャーが大きくなることが選手に影響するからだと信じている。

 イングランドと対戦するチームのPK成功率は上がる。イングランドは欧州選手権とワールドカップで7回PK戦を経験しているが、対戦チームの成功率は83%(35本中29本)だ。逆にイングランド代表は66%(35本中23本)しか成功していない。ヨルデットにはイングランドの成功率が低い理由がわかるという。

「イングランドの問題にはいくつもの要因が絡み合っている」と彼は言う。他所よりも選手に高い期待がかけられていて、選手がその期待に応えようと苦しむことも要因の一つだ。

「負ければ負けるほど、もっと負けるところを見ると、過去の数字もプレッシャーをより大きくする要素なのだろう。期待の高さと過去の戦績に加えて、イングランドの民族性が世界で最も個人主義的であることや、メディアがスケープゴートを探すことも要因となる」

 欧州トップ8の代表チームのPKを調べたヨルデットは、ボールが来る方向にGKが何回ダイブしていたかも計算した。GKがボール方向にダイブしたとき、セーブする確率は30%高くなる。

 つまりオランダやイングランドと対戦する他の代表チームのGKは、平均以上にボールが来る方向にダイブしていることになる。これはどうしてなのだろう? オランダやイングランドの選手はキックのコースが読まれやすいということだろうか? チェコやスペインの選手と比較して何が違うというのだろう? GKに背を向ける傾向があるというわけではない(オランダの選手は17%しか背を向けない)。またあわてるからでもない。イングランドはたしかに蹴るまでの時間が一番短いが、スペインもかなり早く蹴る。「これはチャンスの要素が入っていることを示すデータです」とヨルデットは説明した。

「イングランドは過去のPKで運がなかったのではないかと私は疑っています」

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